実は米国株式への投資比率が高い
インデックスファンドには、「国内株式型」「米国株式型」「世界株式型」など様々な種類があります。
その中で、果たして「世界株式型」のインデックスファンドは世界各国の株式に万遍なく投資しているのでしょうか?
代表的な「世界株式型」のインデックスファンドの組入上位国・地域を確認してみると、実は米国株式への投資比率が高いのが現状となります。
2022年12月分の月次レポートを確認すると、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリ―)、SBI・全世界株式インデックス・ファンド、たわらノーロード世界株式における米国株式への投資比率は、いずれも58%台と全体の半数以上占めています。
それに続いて、日本株式が5~6%程度、英国株式が3~4%程度、カナダ株式が3%程度となっています。
明らかに米国株式の投資比率が高いのがわかります。
さらに組入上位10銘柄をみても、アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドットコム、アルファベットといった米国の大手ハイテク企業が5位以内にランクインしています。
その他には、石油大手エクソン・モービル、金融大手JPモルガン・チェース、ヘルスケア大手ユナイテッド・ヘルスグループなどが入っており、組入上位10銘柄はすべて米国企業となっています。
続いて、「先進国株式型」のインデックスファンドはどうでしょうか?
つみたて先進国株式、eMAXIS Slim先進国株式、たわらノーロード先進国株式のいずれも米国株式への投資比率は全体の7割程度となっています。
英国株式が4%程度、カナダ株式やフランス株式が3%台後半となり、米国株式と比べ投資比率に大きな差があります。
組入上位10銘柄をみても、世界株式型と同様にアップルなど米国の大手ハイテク企業を中心にすべて米国株式となります。
参考までに、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリ―)とつみたて先進国株式の運用会社は三菱UFJ国際投信となるため、組み入れ上位10銘柄は同一となっています。
新興国株式型はアジア系企業が多い
では、米国株式以外の株式で運用したい場合は何に投資すれば良いのでしょうか。
「新興国株式型」のインデックスファンドに投資するのが良いと考えます。
代表的なファンドには、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim新興国株式インデックスなどがあります。
新興国を対象としているので、米国株式は含まれません。
組入上位国・地域を確認すると、中国(香港含む)株式が3割程度、インド株式や台湾株式が15%前後となり、アジア系の企業が多くなります。
組入上位10銘柄を確認すると、台湾の半導体大手のTSMC、アリババ集団、テンセントなど中国系大手ネット企業など、東アジアを代表するハイテク企業が上位に並んでいます。またハイテク企業以外には、中国建設銀行など金融機関の株式が組み入れられています。
新興国株式型を分散投資の対象に
月次レポートでは組入上位国・地域、組入上位10銘柄を記載していますが、毎月データが更新されます。
組入上位国・地域に関しては、大きな変化は見られにくい一方、組入上位10銘柄は決算動向次第などで変化する可能性がありますので、確認してみてください。
「世界株式型」や「先進国株式型」のインデックスファンドでは、米国株式の動向がパフォーマンスを左右しそうです。
結局、アップルなど米国の大手ハイテク企業の株価動向やニュース、その他にはナスダック総合指数やS&P500指数の動向を注視する必要がありそうですね。
米国株式以外の株式で運用したい場合や分散投資を図りたい場合、「新興国株式型」のインデックスファンドで運用を検討しても良いと考えます。