(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=131.36円(前営業日比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.39円(▲0.93円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0678ドル(▲0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:33869.27ドル(△169.39ドル)
ナスダック総合株価指数:11718.12(▲71.46)
10年物米国債利回り:3.74%(△0.08%)
WTI原油先物3月限:1バレル=79.72ドル(△1.66ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1874.5ドル(▲4.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
66.4 64.9
1月米財政収支 388億ドルの赤字 850億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの観測が後退する中、米10年債利回りが一時3.7492%前後と1月6日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。米ミシガン大学が発表した2月消費者態度指数(速報値)が66.4と予想の65.0を上回り、併せて発表された1年先の期待インフレ率が4.2%と予想の4.0%を上回ったこともドル買いを誘った。2時前には一時1.0666ドルと日通し安値を更新した。
なお、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事は「さらなる利上げはインフレを目標に戻すのに寄与する」「インフレ率を2%の目標にタイムリーに戻すために、利上げ方針を維持」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ドル円は3日ぶりに小反落。日銀の次期総裁人事を巡る報道を受けて、欧州市場序盤には129.81円まで急落する場面があった。ただ、NY市場に限れば底堅い展開だった。良好な米経済指標や米長期金利の上昇が相場を下支えし、一時131.60円付近まで持ち直した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するハーカー米フィラデルフィア連銀総裁はこの日、「FRBはFF金利を5%超の水準に引き上げてから、利上げをいったん停止するべき」「FRBは現在、0.50%の利上げを必要としていない」などと発言した。
・カナダドルは全面高。ロシアが原油減産の方針を発表したことでWTI原油先物価格が上昇すると、産油国通貨とされるカナダドルには買いが先行した。1月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が15.00万人増と予想の1.50万人増を大幅に上回り、失業率が5.0%と予想の5.1%より強い内容だったことが分かるとカナダドル買いが活発化。対米ドルでは一時1.3338カナダドル、対ユーロでは1.4243カナダドル、対円では98.58円まで値を上げた。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開だった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。ユナイテッドヘルス・グループやメルク、アムジェンなどディフェンシブ銘柄が買われ、指数を押し上げた。原油高を背景にシェブロンなども買われた。半面、米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテクが売られ、相場の上値を抑えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。電気自動車(EV)のテスラが5%超下げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米ミシガン大学が発表した2月消費者態度指数(速報値)や併せて発表された1年先の期待インフレ率が予想を上回ったことで、債券売りが進んだ。来週14日の1月米消費者物価指数(CPI)への警戒から売りが出た面もあった。
・原油先物相場は反発。ロシアが原油減産の方針を発表。供給懸念が買い材料となった。ロシアは、西側諸国が制裁措置としてロシア産の原油や石油製品の価格に上限を設定したことへの対抗措置として、生産量の約5%とされる日量50万バレルの減産を3月から実施するという。
・金先物相場は続落。米長期金利が上昇し、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味が低下。2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)とともに発表された1年先の期待インフレ率が4.2%と、4.0%程度を見込んでいた市場予想や1月の3.9%を上回ったことが金利上昇要因として意識されたようだ。米金利上昇で、対ユーロなど主要通貨に対してドルが強含んだことも、ドル建て金価格の換算値押し下げに作用。ドル高によって、ドルの代替資産と位置づけられることもある金の相対的価値が低下した点も売りの一因となったもよう。