NYマーケットダイジェスト・1日 株まちまち・金利上昇・ユーロ高

(1日終値)

ドル・円相場:1ドル=136.19円(前営業日比△0.02円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=145.31円(△1.32円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0668ドル(△0.0092ドル)

ダウ工業株30種平均:32661.84ドル(△5.14ドル)

ナスダック総合株価指数:11379.48(▲76.06)

10年物米国債利回り:3.99%(△0.07%)

WTI原油先物4月限:1バレル=77.69ドル(△0.64ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1845.4ドル(△8.7ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)       <発表値>   <前回発表値>

MBA住宅ローン申請指数(前週比) ▲5.7%     ▲13.3%

2月米製造業PMI改定値       47.3       47.8

2月米ISM製造業景気指数      47.7       47.4

1月米建設支出(前月比)     ▲0.1%     ▲0.7%・改


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ユーロドルは反発。独10年債利回りが一時2.728%前後と2011年7月以来約12年ぶりの高水準を更新するなど、欧州債利回りが上昇したことを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。2月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を上回ったことが分かると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ長期化観測が強まり一時1.0691ドルまでユーロ高が進んだ。その後の下押しも1.0644ドル付近にとどまった。


・ドル円は3日ぶりに小反発。米10年債利回りが3.91%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行。21時過ぎに一時135.26円と日通し安値を付けた。

 ただ、米10年債利回りが4.0082%前後と昨年11月10日以来約4カ月ぶりの高水準を記録すると買い戻しが優勢に。24時過ぎには136.32円付近まで持ち直した。

 24時発表の2月米ISM製造業景気指数は47.7と予想の48.0を若干下回ったものの、項目別で投入価格指数が51.3と予想の46.5を上回り、インフレが当面高止まりする可能性が示された。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識され、相場を下支えした面もあった。


・ユーロ円は反発。独CPIの上振れを受けてユーロ買いが先行したあとは、ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て一時145.36円と日通し高値を付けた。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。2月米ISM製造業景気指数は予想を若干下回ったものの、項目別で投入価格指数が予想を上回り、インフレが当面高止まりする可能性が示された。FRBによる金融引き締めの長期化が警戒され、株売りを誘った。ただ、相場は約4カ月ぶりの安値圏にあるだけに値ごろ感からの買いが入ると、指数は上げに転じた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは続落。2月米ISM製造業景気指数は予想を若干下回ったものの、項目別で投入価格指数が予想を上回り、インフレが当面高止まりする可能性が示された。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まり、債券売りが広がった。利回りは一時4.0082%前後と昨年11月10日以来約4カ月ぶりの高水準を付けた。


・原油先物相場は続伸。2月のロシア産油量が増加したとの報道が重しとなるも、中国の2月製造業購買担当者景況指数(PMI)が予想以上に上昇し、中国の景気回復に伴うエネルギー需要の拡大期待が改めて意識され、買いが優勢となった。

 米エネルギー情報局(EIA)の石油在庫統計は、原油在庫が116.6万バレル増と予想以上の積み増しとなった一方で、ガソリンは在庫増の予想に反して87.4万バレル減少し、まちまちの結果となった。


・金先物相場は3日続伸。為替相場でドルが対ユーロで弱含み、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。また、中国の景気回復期待を背景に金の主要消費国である中国で現物需要が高まるとの思惑も金の買いを後押した。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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