(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=135.03円(前営業日比▲1.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.70円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0643ドル(△0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:31909.64ドル(▲345.22ドル)
ナスダック総合株価指数:11138.89(▲199.46)
10年物米国債利回り:3.70%(▲0.20%)
WTI原油先物4月限:1バレル=76.68ドル(△0.96ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1867.2ドル(△32.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
2月米雇用統計
失業率 3.6% 3.4%
非農業部門雇用者数変化 31.1万人 50.4万人・改
平均時給(前月比) 0.2% 0.3%
平均時給(前年比) 4.6% 4.4%
2月米財政収支 2624億ドルの赤字 388億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めたことなどを背景に、20時前には136.99円まで円安・ドル高が進んだものの、2月米雇用統計の結果が伝わると米金利の大幅低下とともにドル売りが進み、134.12円まで大きく値を下げた。
2月米雇用統計では非農業部門雇用者数が31.1万人増と予想の20.5万人増を上回った一方、失業率が3.6%、平均時給が前月比0.2%/前年比4.6%と予想より弱い内容となった。今月21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利上げ観測が後退し、ドル売りを促した。米金融政策の影響を受けやすい米2年債の利回りは29bpを超す大幅な低下となった。
米シリコンバレーバンク(SVB)の持ち株会社であるSVBファイナンシャル・グループの経営難が、金融システム不安につながりかねないとの警戒も相場の重しとなった。
なお、米連邦預金保険公社(FDIC)はこの日、SVBが経営破綻し事業を停止したと発表。FDICが破綻管財人となり、預金保護を発動する。
・ユーロドルは続伸。米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びず、賃金インフレへの警戒感が和らぐと、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ観測が後退した。米金融システム不安への警戒もドル売りを促し、1時前に1.0701ドルと日通し高値を付けた。引けにかけては1.0636ドル付近まで伸び悩んだ。
・ユーロ円は続落。ドル円の急落をきっかけに円買い・ユーロ売りが先行。SVBの経営破綻が金融システム不安につながりかねないとの警戒から、ダウ平均が一時470ドル超下落したことも相場の重し。4時30分前には143.35円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、昨年10月26日以来の安値となった。FDICはこの日、SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンクが経営破綻し事業を停止したと発表。市場では「金融システム不安につながりかねないとの警戒感から株売りが広がった」との声が聞かれ、指数は一時470ドル超下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、1月19日以来の安値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に続伸。2月米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びず、賃金インフレへの警戒感が和らぐと、FRBの大幅利上げ観測が後退し債券買いが広がった。米中堅金融SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンクの経営破綻で、投資家がリスク回避姿勢を強め相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった面もあった。
・原油先物相場は4日ぶりに反発。2月米雇用統計の結果を受けて3月FOMCでの0.50%利上げ期待が後退するなど、金融引き締めに対する警戒感が和らいだことが相場を支えた。
・金先物相場は続伸。2月米雇用統計で平均時給の鈍化が確認されると米利上げ期待が後退。外国為替市場でドルが下落したため、ドルと「逆相関」とされる金に買いが入った。