【チャネルライン分析~その①】

チャネルライン分析の考え方

価格(相場)は上昇トレンドにあるときも下降トレンドにあるときも、ジグザグに上下動を繰り返しながら推移する場合がほとんどです。


チャネルライン分析は、より大きなトレンドを捉えるトレンドライン分析に応用でき、価格の近い将来を予測するためにも使われます。チャネルラインには、「上昇チャネルライン」と「下降チャネルライン」がありますが、今回は上昇チャネルラインについて解説します。


上昇チャネルラインの描き方

上昇トレンドでは、その起点となる最初の安値をから次の安値を通る上昇トレンドラインが描かれます。次に、その最初の安値をから次の安値の間に形成した高値が存在することになりますが、その高値を起点に上昇トレンドラインと平行のラインを引きます。


この2 つのラインをまとめて「上昇チャネルライン」といいます。下のラインを「ロワーチャネルライン(lower channel)」、上のラインを「ハイアーチャネルライン(higher channel)」と呼びます。


チャネルラインから相場の強弱を読む

上昇トレンドでは、節目となる安値は上昇トレンドラインに沿って並ぶことが多いです。一方、節目となる高値は必ずしも上昇チャネルラインに沿って並ぶと限りません。しかし、節目となる高値がハイアーチャネルラインを上回るか未達に終わるかで、トレンドの勢いの変化を察知できます。


価格がハイアーチャネルラインを上回れば、上昇トレンドは勢いが強まっていることを示唆します。一方、未達に終われば、上昇トレンドは勢いを失っていることを示唆します。


また、チャネルの幅が広ければ、買い手と売り手の優劣が大きく入れ替わっていることが予想されます。一方、チャネルの幅が狭ければ、優劣の入れ替わりも少ないことが予想できます。


チャネルラインによる推測

チャネルラインは相場の変化の兆しを教えてくれます。図表は、ショーボンドホールディングス(1414)の日足チャートです。左側の矢印の安値はロワーチャネルラインに届かずに下げ止まり反転、ハイアーチャネルラインを突破して勢いづいています。このように、ハイアーチャネルラインを突破する直前はロワーチャネルラインまで下落せずに反転上昇することが多く、相場が勢いづく兆しを捉えることができます。


逆に、右側の矢印の高値はハイアーチャネルラインに届かずに反転、ロワーチャネルラインをブレイクダウンして下降トレンド入りとなりました。このように、ロワーチャネルラインを突破する直前はハイアーチャネルラインまで上昇できずに反転下落することが多く、下降トレンド入りの兆しを捉えることができます。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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