(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.48円(前営業日比△0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.67円(▲0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0913ドル(▲0.0048ドル)
ダウ工業株30種平均:33852.66ドル(▲74.08ドル)
ナスダック総合株価指数:13591.75(△36.08)
10年物米国債利回り:3.71%(▲0.05%)
WTI原油先物8月限:1バレル=69.56ドル(△1.86ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1922.2ドル(▲1.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比) 3.0% 0.5%
5月米卸売在庫(前月比) ▲0.1% ▲0.3%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がポルトガルのシントラで開催中の欧州中央銀行(ECB)フォーラムで「大半の当局者は年内にあと2回の利上げを見込んでいる」「(7月、9月の)連続利上げの可能性を選択肢から排除しない」と述べた一方、植田日銀総裁は「基調的インフレ率が目標の2%を下回っているため、金融緩和を続けている」と述べ、緩和維持の正当性を主張。日米金融政策の違いが改めて意識されると円売り・ドル買いが優勢となり、24時前に一時144.62円と昨年11月以来の高値を付けた。
ただ、買い一巡後はやや伸び悩んだ。政府・日銀が昨年9月、24年ぶりに円買い介入を実施した水準である145円に接近したことで介入への警戒感が強まった。市場では「チャート上で重要なポイントである2022年10月27日の安値145.11円がレジスタンスとして意識されている」との声も聞かれた。
・ユーロ円は反落。日欧金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ユーロ買いが先行すると、23時前に158.00円と2008年9月以来15年ぶりの高値を付けたものの、その後失速した。政府・日銀による円買い介入への警戒から、一時本日安値となる157.23円まで値を下げた。ユーロドルの下落につれた売りも相場の重し。
なお、ラガルドECB総裁はECBフォーラムで「基本シナリオ通りなら、7月に利上げする可能性が高い」「現時点では利上げ休止は考えていない」「コアインフレが低下している十分な証拠はない」などと発言した。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州債利回りの低下などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。市場では「月末・四半期末を控える中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との指摘もあり、一時1.0897ドルと日通し安値を更新した。
ただ、フィキシング通過後は1.09ドル台前半で下げ渋った。米10年債利回りが3.70%台まで低下したことも相場を下支えした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。「米政権は中国への人工知能(AI)向け半導体輸出に対する新たな規制を検討」との報道が嫌気されて売りが先行。米金融引き締め長期化への懸念も相場の重しとなった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。米長期金利の低下を背景に、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米金融引き締め長期化による景気悪化への警戒から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。7年債入札が「好調」と受け止められたことも相場の支援材料。
・原油先物相場は反発。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫が大きく減少したことで需給ひっ迫懸念から買いが優勢となった。
・金先物相場は小幅に続落。対ユーロなどでドル高が進んだため、ドル建てで取引される金の割高感が意識された。一方で、米長期金利が低下したため、金利を生まない金には下支え要因となった。