【投資スタイル】~順張り手法編

投資手法には2種類ある

投資手法には、「順張り手法」と「逆張り手法」の2種類があります。


投資は、「安い」時に買って、「高い」時に売ることで利益の獲得を目指します。


ただ、株式やFXなど不規則に動く相場に勝つためには、相場の流れに沿った売買手法をとることが有効です。


まずは、「順張り手法」について、チェックしていきましょう。


順張り手法とは?

順張り手法とは、価格のトレンドの方向に合わせた売買手法です。価格が上昇傾向にあるときに買いを入れ、下落傾向にあるときに売り(空売り)を入れます。


価格の動いている方向に沿った売買なので、投資の初心者にも向いているといえます。順張り手法のことを、「トレンドフォロー」ともいいます。


順張り手法の利点

順張り手法の利点は、買いを入れたあとも同じトレンドが続くことを前提としており、価格変化が大きいほど利益も大きくなります。


例えば、ある企業の株価が上昇しているのは、業績好調期待や割安感が評価されている、といった何らかの要因があるはずであり、買い参入による決断がしやすいといえます。


逆に、株価が下落しているのは、業績悪化や割高感が警戒されてる、といった何らかの要因があるはずです。


市場への参入はシンプルかつ焦らない判断で

市場へ順張りで参入のタイミングとしては、前回の高値(安値)、年初来高値(安値)を更新したら買う(売る)といった手法をとるのが、シンプルで一般的です。


テクニカル分析でトレンド分析手法を用いることもあります。いろんなトレンド分析手法がありますが、大部分は新しいトレンドを確認してから売買サインが出るように設計されています。このため、価格推移の方向転換に対して、売買サインの発生は多少遅れるのが普通です。


ある意味、順張り投資の意義は、「シンプルに焦らずに判断する」ことです。投資期間が数週間以上の中期~長期投資に向いた手法といえそうです。


高値掴みの危険性がある

一方、順張り手法の難点は、高値掴みの危険性が高いことです。


順張りはトレンドに乗っていく手法のため、買いを入れたあとにすぐにトレンドが下落傾向に変化すると、利益を確定する機会がなく、損失が発生することもあります。


業績好調を見越してトレンドは上昇傾向にありましたが、実際に企業から業績好調が公表されると材料出尽くしとなり、順張りで買った価格が天井となるケースも少なくありません。


また、順張りで上手くトレンドに乗れたとしても、利益確定売りを急ぎ過ぎ、利益を取り損ねるケースも多々あります。


トレンドに従うということですから、「ここが天井(底)だろう」という主観をできるだけ排除し、トレンドが変化するまで買った状態を維持することが順張り手法で利益を伸ばすコツとなります。





日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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