【一目均衡表~三大骨子③】

一目均衡表は波動論、値幅観測論、時間論が骨子

一目均衡表は、波動論、値幅観測論、時間論が三大骨子です。以下の図のように、三波動構成(基本波動)において、「いつ目標値が達成されるか」という時間論を中心に構成されています。

 


波動論

基本波動には、「I波動」「V波動」「N波動」の3つがあります。I波動は上げまたは下げの一波動、V波動は下げ・上げまたは上げ・下げの二波動、N波動は上げ・下げ・上げまたは下げ・上げ・下げの三波動を意味します。中でもNの三波動が主波動で基本となります。

五波動や九波動は三波動が連続するものであり、上昇トレンドや下降トレンドは継続すると柔軟に考えます。




値幅観測論

Nの三波動をベースとした値幅観測論は、単純な計算によって波動の均衡点を探るものです。均衡点とは目標値とは異なるといわれ、N計算値、V計算値、E計算値、NT計算値の4つの基本計算方法があります。


・N計算値・・・N=C+(B-A):価格水準の中心点を安値Cにおき、それまでの上げ幅と同値幅を安値Cに加えた水準を均衡点と考えます。

 

・V計算値(倍返し法)・・・V=B+(B-C):価格水準の中心点を高値Bにおき、安値Cまでの下げ幅を高値Bに加えた水準を均衡点と考えます。 

 

・E計算値(倍加法)・・・E=B+(B-A):価格推移の中心点を高値Bにおき、それまでの上げ幅と同値幅を高値Bに加えた水準を均衡点と考えます。  

 


・NT計算値・・・NT=C+(C-A):価格推移の中心点を安値Cにおき、実質的値幅(上げ幅―下げ幅)を安値Cに加えた水準を均衡点と考えます。

 


時間論

価格変動の際に時間が経過するのではなく、時間の経過の仕方によって価格変動が起きるという考え方です。時間で相場の変化を捉えようとする分析法は一目均衡表独自のもので、時間の均衡を基に「変化日」を探る手法です。


変化日とは、通常の場合、相場が「転換」する日のことです。「転換」のほか、相場の「加速」を指すこともあります。


ここでいう時間とは、能動的な影響によって相場が変化する時間と、過去の波動に費やした一定の受動的な影響によって相場が変化する時間、のことです。


能動的時間は「基本数値」といいます。基本数値には、「9、17、26、33、42、51、65、76、83、97、101、129」などがあります。図表のように、過去の経過日数は将来の変化日を予測する上で重要ではなく、決められた日数(基本数値)が重要とする考え方です。

 



受動的時間は「対等数値」といいます。対等数値は過去の高値や安値までに要した時間を将来の高値や安値の時間帯に影響を与えるという考え方です。

 

ほとんどの場合は基本数値に一致する場合が多いですが、「基本数値」と「対等数値」を総合し、適切な「変化日」を決定することになります。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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