円安とインフレにどう立ち向かう?有効な資産運用方法3選を解説

2022年から円安とインフレが続く今の状況において、銀行預金だけを資産に持つのはリスクにつながります。


円安とは外貨に比べ日本円の価値が下がる状態のことです。またインフレとは、物・サービスの価格が上昇して、相対的に現金の価値が下がることを指します。


円安とインフレがこのまま続くかは正確に予測できませんが、銀行にお金を預けておくだけだと、実質的な価値は目減りする可能性が高いです。


本記事では、現在の円安とインフレの状況を踏まえて、有効な3つの資産運用について解説します。これからの資産運用について不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。



2022年から円安とインフレが続く

日本は数十年にわたりデフレが続いてきましたが、2022年に入ってから状況は一変し、円安が進みインフレは持続しています。


ドル/円のチャートを見てみると、おおよそ100~120円のレンジに入っていますが、2022年から円安に振れ、130~150円前後で推移しています。直近5年間におけるドル/円のチャートは、以下画像のとおりです。



 参照:外国為替相場チャート|三菱UFJ銀行



円安に陥ると必ずインフレになる訳ではありませんが、輸入品の値上がりにともない、2022年から国内物価も上昇を続けています。2020年を基準としたときの2023年における消費者物価指数の推移は、以下画像のとおりです。

 

参照:2020年基準 消費者物価指数全国 2023年(令和5年)7月分|総務省



2020年と比較して、2023年の総合指数は5%を超えて上昇しました。ほかにも電気料金・ガソリン代などエネルギー価格の上昇や、生鮮食品の値上がりによって私たちの生活へも大きな影響を与えています。


円安とインフレの動向を予想するのは誰にもできませんが、今後も継続すると仮定して資産を運用していくのが大切です。


円安・インフレに弱い資産は現金預金

繰り返しになりますが、円安とインフレが継続する状況において、現金の価値は徐々に下がります。


たとえば、現在100万円を持っていたときに、年率3・5・7%で物価上昇した場合の現金価値の推移は、以下のとおりです。



上記の表はインフレ率だけを考慮していますが、円安が進むと対外的に円の価値は下がります。


円安とインフレが続くときに有効な資産運用3選

円安・インフレが続く状況を考慮したとき、現金預金以外に資産を運用するのが大切です。本章で3つの資産運用について紹介するので、購入対象として適切であるか参考にしてみてください。


1. 株式・投資信託への積立投資

株式・投資信託へ積立投資するのが、円安・インフレが続く状況でもっとも堅実な運用方法です。


一般的な個人投資家が為替判断や株価の値上がりを正確に読み切るのは難しく、タイミングを間違えると損をする可能性があります。そこで、毎月一定額を積立投資に回すことは、資産形成において大切な考え方です。


NISAやiDeCoなどの非課税制度をうまく活用しながら、将来的な値上がりを期待して積立投資を続けてみてください。


2. 不動産

現金価値が減少している状況で、銀行からの借り入れによって不動産を購入する選択は有効です。居住用・投資用にかかわらず、将来的に不動産価格は上昇する可能性があるからです。


全国の不動産価格の推移は、以下のグラフを参考にしてみてください。

 

参照:不動産価格指数(令和5年5月・令和5年第1 四半期分)|国土交通省


全国のマンション価格は、ここ10年で大きく上昇を続けています。一方で、住宅総合はあまり延びていませんが、ローンを返済し終わったあとはそのまま資産として住居が残ります。


ネット銀行を中心に35年ローンの変動金利は0.3%代に設定されているため、これから住宅を購入する方も返済しやすい状況です。賃貸物件に入居するメリットもあるため、あくまでも円安・インフレによる資産運用の1つとして不動産を検討してみてください。


3. 外貨建て商品

円安・インフレが続く状況において、外貨建て商品を持つことは有効です。円安を回避するには外貨の保有が効果的で、インフレに強い資産を持つと、物価上昇にあわせて値上がりが期待できます。


代表的な外貨建て商品は、以下のとおりです


・株式・投資信託

・コメディティ(貴金属・エネルギー・穀物)

・不動産(REIT含む)

・仮想通貨


インフレに強い資産は値動きの激しいものがあるため、購入するときはタイミングに注意しましょう。



円安・インフレの状況では複数の資産を持つことが大切

円安・インフレの状況下では現金の価値は目減りしてしまうため、銀行にお金を預けているだけだと、思いがけず資産を減らしてしまう可能性があります。


そこで本記事で紹介した株式や不動産など複数の金融商品を持つことで、資産を管理するのが大切です。円安・インフレを過度に恐れず、そのときのタイミングにあわせて最適な運用を続けましょう。

独立系ファイナンシャルプランナー

藤崎 竜也

「独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。2019年から教育資金や老後資金を蓄えるために投資を始める。実体験をもとに、専門用語をわかりやすく解説するのが得意。2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得し、現在は金融ジャンル(資産運用・投資・不動産・保険)をメインに執筆している。

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