【東野幸利のチャート道場~JR東日本】

日経平均は4日続落で25日線を割り込む

週明け22日の日経平均は4日続落。米国株安を嫌気して、寄り付きから一段安の展開となりました。39,500円台では下げ渋ったものの、売り一巡感が出てきても戻りは鈍く、後場は安値圏でのもみ合いに終始。25日移動平均線をあっさりと割り込んで終えました。


東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,100億円。値上がり銘柄数236に対して、値下がり銘柄数は1375と値下がり優位の展開となりました。業種別では陸運、水産・農林、食料品などが上昇した一方、精密機器、海運、電気機器などが下落しました。


売買代金上位では、ディスコ(6146)を中心に半導体株の下げが目立ったほか、日立製作所(6501)や太陽誘電(6976)、TDK(6762)などこのところ上昇基調にあったハイテク株の一角が大幅に下げました。

一方、証券会社の目標株価引き上げや鉄道料金値上げ申請を材料にJR九州(9142)が6%を超える上昇。鉄道株全体の評価機運が高まり、特に西武HD(9024)やJR東日本(9020)が上昇率上位となりました。


週足でみるJR東日本(東日本旅客鉄道)の株価推移

図表は、JR東日本(9020)の2018年5月ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。



2020年の新型コロナショック後の安値となった2020年10月安値(1,815.3円)を始点とした二段上げの上昇相場は、今年2月につけた年初来高値(3108.3円)でいったん終了した可能性が高いと判断できます。


理由は、二段上げ目の始点となった2022年3月安値(2,124.3円)からの上昇相場は今年2月高値までは高値と安値を切り上げる動きでしたが、直近安値2,505円が直前の2023年10月安値(2,519.9円)を下回ったことで、高値と安値を切り下げる動きに変化した可能性が高くなった点です。


また、今年2月高値は2020年10月安値を始点としたN計算値(3,184円)に近いほか、新型コロナショックで急落する前の安値水準が上値のフシになった可能性が高い点が挙げられます。過去の主要な安値が上値抵抗になる、あるいは過去の主要な高値が下値支持になるテクニカル分析における1つのセオリーです。


今年2月高値からの調整幅が大きくなったことで、今後考えられる点は、13週移動平均線や26週移動平均線が上向きから下向きへ変化が始まる可能性が高い点です。


週明けの強い上昇で13週移動平均線を上回る展開となりましたが、26週移動平均線で上値を抑えられることで反発が一巡し、再び下落基調に入る可能性が高い点には留意が必要です。直近安値を下回ると、次は2023年2月安値(2,235.3円)が下値メドとなります。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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