マネーリテラシーを身につけるための勉強として、FP(ファイナンシャル・プランナー)3級、簿記3級の資格取得が有効と言われています。
筆者も2級FPと簿記3級の資格を取得し、「お金の知識全般を学ぶことができた」と感じました。
ただし、資格取得後の注意点もあります。
「これから、FP3級や簿記3級を学びマネーリテラシーを身に付けたい」という方は、この記事を参考にしてみましょう。
FP技能検定とは?3級の勉強内容と合格率
FP技能検定を実施する団体は、①日本FP協会、②一般社団法人 金融財政事情研究会(通称きんざい)の2つがあります。
一般社団法人 金融財政事情研究会のFP技能検定は、銀行など金融機関に勤める方が受験するケースが多く1級・2級を受験するためには実務経験が必須です。
今回は金融リテラシーを身につけることがテーマですので、日本FP協会の検定について解説していきます。
日本FP協会が実施するファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定は、国家資格で1級、2級、3級の等級があります。
それぞれ「学科試験」と「実技試験」があり、両方に合格すると合格証書が発行され「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗ることが可能です。
3級はFP技能検定の中で最も難易度が低く、「FP業務に従事している者または従事しようとしている者(出典:日本FP協会ホームページ)」であれば誰でも受験できます。
過去の合格率の推移を見ていきましょう。
出典:日本FP協会ホームページ
学科・実技ともに7割台~8割超の合格率ですので、難易度は比較的易しいといえるでしょう。なお2024年4月から、3級FP技能検定はCBT試験方式に移行しました。
CBT試験方式は、全国の試験会場で随時受験が可能です。
FP技能検定は大きく分けて、以下6つの分野を学びます。
FP技能検定は、6割程度の正答率で合格と言われています。
簿記検定種類と日商簿記3級の合格率
簿記検定試験には主催者別に①日商簿記、②全商簿記、③全経簿記、④日ビ簿記の4種類があります。
今回は簿記検定試験の中で最もポピュラーな日商簿記についてお伝えしていきます。
日商簿記は、日本商工会議所が主催するもので各試験会場が設定する日にネット試験で受けることが可能です。
統一試験・ネット試験の合格率の推移を見ていきましょう。
出典:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験」
ネット試験は統一試験より比較的合格率が高い傾向にありますが、3級FPより難易度が高い試験となっています。
簿記は個人事業主や法人などのお金の出入りを記録し、確定申告をするために必要なスキルです。
2級FPと日商簿記3級を取得した筆者の体験談
筆者は学生時代に日本FP協会の2級FPを取得し、その後日商簿記3級を取得しました。資格取得のために勉強したことで、資格を取る前よりも金融リテラシーが向上したと感じています。
FPは税金や社会保険など身近なことを始め不動産や相続など馴染みの無いことも学び、新たな発見がありました。
簿記は、仕訳や勘定科目の種類、貸借対照表や損益計算書といった経営に関する会計も勉強でき良い経験になりました。
現在は資格を活かして執筆活動をしていますが、当時は「経済学部に入ったし、将来金融系の仕事に就きたいからとりあえず取ってみよう」という軽い気持ちでFPを取得しました。
しかし、就職活動で医療業界に興味を持ち製薬会社に就職したため、資格で得た知識を使う機会がありませんでした。
経理補助の仕事で簿記の知識を用いた程度です。
恥ずかしながら資産運用にもあまり興味が無く、貯まったお金はとりあえず定期預金をしていました。資産運用を始めたのは2020年です。
どの資格にも言えることですが、資格は「取った後が重要」だと感じています。
金融リテラシーの向上を目指しFP3級や簿記3級を取得してもその後知識を使う機会が無ければ次第に記憶が薄れていってしまいます。
現在は2級FPの勉強内容を思い出すと同時に、専門知識を身に付けるためCFP試験(1級FP技能士の民間資格バージョン)を受けています。
筆者が言える立場ではないと思いますが、資格を取った後も新聞や雑誌・本を読み知識をアップデートする、実際にシミュレーション表を作成するなどの行為で「リテラシーの維持」が重要です。
この記事が、皆さまの金融リテラシー向上のヒントになれば幸いです。