「ロボアドバイザーで無料診断!」という謳い文句を見かけたことがある方は多いでしょうか。
実際にロボアドバイザーによる無料診断は、投資未経験者に役に立つのでしょうか?
筆者の投資未経験者の知人に3つの無料診断を試してもらい、その結果を紹介していきます。
ロボアドバイザーの診断・アドバイスとは?
ロボアドバイザーには投資の助言だけを行う「アドバイス型」と実際に投資におまかせできる「投資一任型」があります。
インターネットで「ロボアドバイザー投資」のサイトを見ると「無料で診断!」などと書かれていますが、これはアドバイス型です。
ネットで年齢・年収・毎月の積立額・株価が下落した時にどう対応するかなどの質問に答えると、回答者の属性やリスク許容度などに基づいた運用方法がアドバイスされます。
このアドバイスはAIが行うものですが、果たして役に立つのでしょうか?
筆者の知人で投資未経験者に、実際に複数のロボアドバイザー診断を試してもらいました。
回答者の属性
アドバイス結果を紹介する前に、診断に回答する知人の属性を紹介していきます。
3つのロボアドバイザー無料診断を受けてみた結果
ロボアドバイザー預かり資産運用者数NO.1のA社
某証券会社のロボアドバイザー
某銀行のロボアドバイザー
自己破産
1.ロボアドバイザー預かり資産運用者数NO.1のA社
A社の無料診断は、回答者の年齢、積立額、現在の貯蓄額、株価が下がったときにどう対応するかなどを答えるスタンダードなタイプです。
診断結果は、運用期間や初期投資額がデフォルトになっていますが変更が可能です。
初期投資額1万円、毎月3万円の積み立てで20年運用すると721万円の元本が3%の確率で 1,828万円以上、70%の確率で904万円以上になるという結果でした。リスク許容度は5段階中2でした。
知人は「思ったより増えない」「1つの問いだけでリスク許容度を判断するのは難しいのでは」と述べていました。
2.B証券会社の投資信託ロボアドバイザー
続いて、某大手証券会社のロボアドバイザーで診断を受けてもらいました。
「数分で投資信託の提案を受けられる」という謳い文句で、投資信託の購入目的や興味のある資産・地域、運用方針などを回答します。
結果、友人は先進国の債券に投資する投資信託をすすめられました。
個人的に、すすめられた投資信託は信託報酬が1.5%程度で高いと感じました。筆者も「アメリカの株式に興味があり積極的な運用がしたい」と回答してみましたが、信託報酬が約1.69%です。
S&P500(アメリカの約500の企業が採用されている株価指数)、全米株式インデックス型投資信託であれば信託報酬は1%未満ですので疑問を感じてしまいました。
3.C銀行のロボアドバイザー
続いて某銀行のロボアドバイザーの無料診断を行いました。
年齢層や今後どのくらいの年数使わない資金を運用に充てるか、資産残高や投資経験などを尋ねられます。
結果はリスク許容度とおすすめの投資信託が表示されました。
リスク許容度は5段階で2、おすすめの投資信託は「○○インデックス」という商品でした。知人は投資信託をインデックスファンドと思ったようですが、目論見書を見てみると名称にはインデックスと入っていますが実際はバランスファンドで信託報酬は0.5%程度です。
知人はリスク許容度が低めなので、バランスファンドをおすすめするのはロボアドバイザーとして優秀だと筆者は感じました。
名称に「インデックス」と入っていると誤解することもあるかもしれませんが、投資信託を選ぶ際には目論見書・運用報告書などをよく確認しておきましょう。
ロボアドバイザー診断、投資初心者は注意を
知人にロボアドバイザー診断がどのくらい役に立つのか聞いたところ「結局は自分で判断するしかないけど、B証券会社の投資信託は疑ってしまう、他の診断は自分のリスク許容度が分かって良かった」とのことです。
C銀行のアドバイスが自身の意向に沿っていたものの、投資信託については「もう少し調べてから購入する」とのことでした。
筆者は「どのロボアドバイザー診断も同じでは」と思っていましたが、運営会社により質問や診断結果にばらつきがあることに驚きました。
B証券会社のロボアドバイザーはおすすめできないと感じたため、投資初心者は「参考程度」に留めておくことをおすすめします。