今回解説していく通貨はポンド円(gbp/jpy)です。テクニカル的は週足・日足ベースともに上昇トレンドが継続しており、当面は押し目買い戦略が有効となるでしょう。次の上値目標は219円台となりそうです。
ファンダメンタルズ面では中東戦争によるエネルギー価格の高騰を受け、英中銀の金融政策方針に大きな変化が見られました。これまでの追加利下げをうかがう状態から一転して金融引き締めへの転換が見込まれています。
今後のポンド円の相場焦点:英中銀は据え置き継続も、引き締め方針へと大きく転換
まずは英国の現在の金融政策状況を確認していきます。
英中央銀行(BOE)の金融政策決定委員会(MPC)は2021年12月に金融引き締めを開始。2023年8月に政策金利を5.25%まで引き上げて、2024年8月から金融緩和局面へと移行。現在の政策金利は3.75%です。
●3月に開催された直近の会合では
・据え置きで全会一致
・中東紛争による経済への新たな衝撃で、消費者物価指数の上昇率は短期的には高くなるだろう
・MPCは賃金や価格設定における二次的な影響を通じて、国内のインフレ圧力が高まるリスクを警戒
・MPCは中東情勢とその世界的なエネルギー供給およびエネルギー価格への影響を引き続き綿密に監視していく
などの見解が示されました。
総じて強いインフレ警戒姿勢が示されたほか、2月会合までは5対4の僅差で据え置き(4人が利下げを主張)となっていたことに対して今回は全会一致での据え置きとなるなど、英中銀の政策姿勢は中東戦争を経て大きく変化。金利先物市場では年内に2回程度の利上げを織り込むなど、一転して金融引き締めへの転換を意識すべき局面になっています。
ポンド円の週足分析:上昇トレンドが継続、次は219円台が上値目標
下図のチャートはポンド円の週足チャートになります。

現在も2020年3月安値を始点する上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が継続中。足もとでは216円台まで上値を伸ばす場面も見られました。
また、チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、+DI>-DIで現在が上昇トレンドにあることを示しており、週足ベースではしっかりとした上昇基調を形成。当面は押し目買い戦略が有効となりそうです。
その際の上値目標としては2007年8月安値の219.36円(チャート上の青色実線)などが意識されるでしょう。同水準をしっかりと上抜けてくると、2007年以来の250円台乗せに向けて視界が広がりそうです。
ポンド円の日足分析:短期も上昇トレンド、押し目買い方針は継続
今度は日足で短期的なトレンドも確認しておきましょう。下図のチャートはポンド円の日足チャートです。

日足ベースでも昨年4月9日安値の184.39円を始点するしっかりとした上昇トレンド(チャート上の黄色実線)にあります。週足分析で示した2020年3月からの上昇トレンドラインはかなり下方にあるため、押し目買いの目処としては昨年4月からの上昇トレンドラインを利用したいところです。
それとは別に3月31日安値の209.63円や2月17日安値の207.24円(いずれもチャート上の丸で囲った部分)なども下値の目処として意識されるでしょう。前述の上昇トレンドラインを下抜けてもすぐにトレンド転換とはなりませんが、これらの直近安値を下抜けると調整入りの可能性が高まります。
今後の取引材料・変動要因をチェック:英中銀の金融政策に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は英国の金融政策。4月30日の金融政策は金利の据え置きが見込まれており、英中銀金融政策委員会(MPC)メンバーの投票行動に注目が集まりそうです。(何人が利上げに投票するかなど)
一方、日銀の金融政策決定会合(4月27-28日)は6対3での金利据え置きを決定。3人が利上げを主張しましたが、その後の総裁会見では早期の追加利上げに対して慎重な姿勢が示されました。利上げ時期に関しては今後も慎重に探っていく必要があるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
4月30日 英国 英中銀(BOE)、政策金利発表
5月20日 英国 4月消費者物価指数(CPI)
5月22日 日本 4月全国CPI





