週明けの日経平均は大幅反落
週明けの日経平均は大幅反落。米国株高を受けて買いが先行したものの、すぐに上値が重くなってマイナス転換となりました。半導体株や電線株などAI関連に大きく売られる銘柄が多く、9時台半ば辺りからは鋭角的に下を試しに行く展開となりました。月初のリバランスの売りに加え、植田日銀総裁の講演を受けて12月の利上げが急速に意識され、後場は下げ幅を4ケタに拡大する場面がありました。
東証プライム市場の売買代金は概算で5兆3,800億。値上がり銘柄数299に対し、値下がり1268銘柄と、値下がり優位となりました。業種別では、プラスは銀行と石油・石炭の2業種のみ。一方、電気・ガス、鉱業、不動産などが大幅に下落しました。
個別では、12月の日銀の利上げが意識されたことから、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほFG(8411)のメガバンク3行が逆行高。3Qの好決算が確認できたトリケミカル研究所(4369)がストップ高まで買い進まれたほか、証券会社が目標株価を引き上げたSWCC(5805)は5%近い上昇。住友電工(5802)も大きく上昇しました。一方、三井不動産(8801)や住友不動産(8830)など不動産株の下げが大きくなりました。半導体株の一角が派手に売られたほか、日立(6501)、ソニーG(6758)、パナソニック(6752)など電機株が大幅安。東電HD(9501)や北海道電力(9509)など電気株の下げも目立ちました。
週足でみる北海道電力の株価推移
図表は、北海道電力(9509)の2024年5月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。

2024年5月高値(1,750円)を起点とした下落相場が一巡し、上昇相場に転換した動きが確認できます。現在はもみ合い(踊り場)局面が続いているのかもしれません。
13週移動平均線が26週移動平均線を下から上回るゴールデンクロスの買いサインと同時に、今年4月急落前につけた3月戻り高値(863.6円)の抵抗線①上回ったことで、上昇相場に転換したことが濃厚となりました。
9月高値(1,254.5円)で上昇が一服し、もみ合い相場に移行。13週移動平均線上からのもみ合い上放れとはならずに26週移動平均線まで調整が長引く展開となりました。
一方、先週までの上昇で13週移動平均線を上回り、もみ合い上限を回復。一時は9月高値の抵抗線②を上回る場面がありました。もみ合い上放れに期待がかかる局面まで回復したといえます。
ただ、13週移動平均線が依然として下落基調にあることから、直近3週間の連続陽線で上昇した反動安が生じやすい局面です。短期的には下押す動きも想定されますが、同線の上昇転換を気に、もみ合い上放れが鮮明になっていくかが今後の焦点となります。
週初はチャート上の現状分析からもいえるように、陰線を形成して大幅安となりました。直近上昇の反動が生じる格好となりましたが、13週移動平均線上を保てるかが目先のポイントです。
13週移動平均線上の調整でとどまれば、同線の上昇転換が早期に実現する可能性が高くなり、もみ合い上放れを通じて2024年5月高値(1,750円)が視野に入ることになるでしょう。



