東証REIT指数は、2025年11月に月間で3.1%高と大きく上昇しました。4月から8カ月連続で上昇と強い動きが続いています。

11月は日経平均は大幅安でREIT指数は大幅高
2025年はREIT指数だけでなく日経平均も非常に強い動きを見せています。ただ、日経平均の方はこれまで上昇をけん引していた大型ハイテク株が調整売りに押されており、11月は月間で4.1%安と大きく下落しました。
一方、REIT指数は日本株の変調を横目で見ながら、月前半には2000pの大台に到達しました。
2000pに乗せた後も強い基調は継続しました。月後半にかけては米国で早期の利下げ期待が高まる中で騰勢を強めており、11月27日には2047.40pまで水準を切り上げました。
大型REITが11月に年初来高値を更新
「REIT指数は2000p台を回復」では、ジャパンリアルエステイト(8952)が年初来高値を更新したことを取り上げました。その後、日本ビルファンド(8951)も高値を更新しており、大型REITに資金が向かっています。
属性では、11月は物流系REITの上昇が目立ちました。物流大手のGLP(3281)は月間で5.9%上昇しており、こちらも11月に年初来高値を更新しています。

12月に入り日銀の早期利上げ観測が台頭
中長期では強い基調が続いていますが、12月に入ったところでやや強めに売られています。

植田日銀総裁の講演での発言を受けて、マーケットが次回の日銀金融政策決定会合(12月18日~19日)で利上げが実施される可能性を強く意識したことが売り材料となりました。
日銀の利上げが意識される局面では、日本の長期金利は上昇しやすくなります。長期金利の上昇は不動産関連にはネガティブな材料となりますので、REITだけでなく不動産株も売りに押されています。
日銀会合より前に売りが一巡するかが焦点に
高市首相が就任して間がないだけに、日銀は利上げに慎重になるのではとの見方も多くありました。一方、日銀はどこかで追加の利上げには踏み切るであろうとみられていましたので、利上げを実施すること自体はサプライズというほどではありません。12月に利上げが実施されても、次回がこれまで同様に緩やかなペースであれば、REITに対する売り圧力は一時的にとどまると考えられます。
9カ月続伸を達成できるかを占う意味では、日銀金融政策決定会合が開催される12月18日~19日辺りまで売りに押される動きが続くのか、そろそろ下げ渋るのかどうかが注目されます。2000p超えを達成した翌月かつ年末だけに、下げ止まらず2000pより下で推移する時間が長くなるようだと、利益確定売りが出やすくなると思われます。水準的には、心理的節目の1950p辺りまでで売りが一巡するかどうかが焦点となりそうです。



