ダウ平均が終値で過去最高値を更新

先週は主要3指数が高安まちまち ダウ平均は終値の最高値を更新


先週の米国株式市場ではダウ平均が685.62ドル高(+1.53%)、S&P500が0.27%高とともに3週続伸した一方、ナスダック総合が0.58%安と3週ぶりに反落しました。


金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え木曜日まで軟調に推移しましたが、パウエルFRB議長が講演で9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を示唆したことで金曜日に大幅高となりました。


ダウ平均は今年初めて終値の過去最高値を更新し、S&P500も取引時間中の史上最高値に肉薄しました。


パウエルFRB議長発言を受けて利下げ期待が高まり、CMEのフェドウォッチ・ツールの9月利下げ確率は約85%に上昇しました。


月初来ではダウ平均が3.40%高、S&P500が2.01%高、ナスダック総合は1.77%高となり、例年はパフォーマンスが低調な8月としては異例の大幅高となっています。

 


キャタピラー、アメリカン・エキスプレス、ホーム・デポがダウ平均の押し上げ要因


先週の取引ではダウ平均が8カ月ぶりに終値の過去最高値を更新しましたが、構成銘柄のダウ平均への貢献を見ると、キャタピラーが週間で6.84%上昇し、ダウ平均への上昇寄与は171ドルと30銘柄中最大でした。


上昇寄与第2位はアメリカン・エキスプレスの84ドル(週間上昇率は4.48%)、第3位がホーム・デポの82ドル(同3.36%)となりました。


一方、ダウ平均の押し下げ要因はマイクロソフトが週間で2.49%下落し、ダウ平均への下落寄与は80ドルと30銘柄中最大となり、ボーイングの32ドル、アップルの24ドルがそれに次ぐ下落寄与となりました。

 

小売株の決算は好悪まちまち ホーム・デポ、TJXが上昇し、ウォルマート、ターゲットが下落


終盤を迎えた第2四半期決算発表は、先週はS&P500採用の17銘柄が発表し、そのうち15銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。


米国の個人消費の動向を占う意味で注目された小売株の決算は好悪まちまちでした。ホームセンター大手ホーム・デポが19日に発表した2026年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比4.9%増の452億7700万ドルとなりましたが、市場予想の453億5600万ドルを下回りました。純利益が同2.0%増の46億5000万ドルとなり、調整後の一株当たり利益も4.68ドルと市場予想の4.71ドルを下回りました。

しかし、2026年度通期については、グリルなどの高額商品の売上の回復などを理由に従来の見通しを据え置きました。

株価は19日の取引で前日比12.50ドル高(+3.17%)の407.20ドルで終了。週間では3.36%高となり、年初来では4.68%高となりました。


TJ MAXXなどを傘下に持つ米アパレル・ディスカウントストアのTJXカンパニーも決算が好感され週間で2.96%高、年初来で13.02%高となりました。

TJXが20日に発表した2026年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比6.9%増の144億100万ドルとなり市場予想の141億2600万ドルを上回りました。純利益が同13.1%増の12億4300万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は1.10ドルと市場予想の1.01ドルを上回りました。


一方、総合小売り大手の米ウォルマート・ストアーズが21日に発表した2026年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比4.8%増の1774億200万ドルとなり市場予想の1761億6300万ドルを上回りました。純利益が同0.7%増の54億5100万ドルとなりましたが、調整後の一株当たり利益(EPS)は0.68ドルと市場予想の0.74ドルを下回りました。

今後については、2026年度通期の増収率を3.75%-4.75%増とし、従来の3%-4%増から引き上げ、調整後EPS見通しも従来の2.50-2.60ドルから2.52-2.62ドルへと小幅に引き上げました。ただ、関税によるコストの上昇が続くとしました。

株価は21日の取引で前日比4.61ドル安(-4.49%)の97.96ドルで終了。週間では3.17%安となり、年初来では7.17%高となりました。


総合ディスカウントストア・チェーン大手のターゲットも決算発表を受けて下落しました。

ターゲットが20日に発表した2026年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比1.0%減の252億1100万ドルとなりましたが市場予想の249億3400万ドルを上回りました。純利益も同21.6%減の9億3500万ドルとなりましたが、調整後の一株当たり利益は2.05ドルと市場予想の2.03ドルを上回りました。

しかし、売上高が3四半期連続で前年同期比で減少したことや、来店客数の減少も嫌気されました。


株価は20日の取引で前日比6.67ドル安(-6.33%)の98.69ドルで終了。週間では3.37%安となり、年初来では26.59%安となりました。






国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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