先週はダウ平均、S&P500、ナスダック総合がそろって4週ぶりに反発
先週の米国市場では、ダウ平均が2.7%高、S&P500が3.6%高、ナスダック総合が4.1%高とそろって4週ぶりの反発となりました。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ抑制にあらためて強い姿勢を示したものの、前週までの下落の反動や、企業収益の悪化につながるドル高が一服したこともその場の支援となりました。
S&P500が、心理的節目の3900ポイントを維持したことも安心感につながりました。
6月中旬を底に8月中旬まで大幅に反発したS&P500は、長期トレンドラインの200日移動平均線に頭を抑えられ反落しました。2カ月間の上昇幅の半分以上を失い、3900ポイントが心理的節目として意識されました。
3900ポイントを割り込むと、再度6月安値を試す動きが警戒されましたが、同水準を終値で割り込まなかったことに加え、短期トレンドラインの50日移動平均線と中期トレンドラインの100日移動平均線をともに上回ったことも安心感につながりました。
センチメントも改善しました。「恐怖指数」とも呼ばれるシカゴのボラティリティ指数(VIX指数)は、6月中旬に34ポイント台に上昇後、8月中旬に20ポイント割れまで低下しましたが、8月下旬には再び27ポイント近くまで上昇しました。
しかし、先週は22ポイント台まで低下し、200日移動平均線を下回りました。
予想を上回る決算や通期見通し引き上げたクローガーが大幅高
先週はS&P500の全11セクターが上昇し、一般消費財、素材、金融などの景気敏感セクターが上昇率上位に並びましたが、好決算を発表したディフェンシブ株の一角も堅調でした。
米スーパーマーケット・コンビニ大手のクローガー(KR)が9日に発表した2022年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比9.3%増の346億3800万ドルとなり市場予想の345億3000万ドルを上回りました。
純利益が同8.4%増の6億6100万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は0.90ドルと市場予想の0.80ドルを上回りました。
2022年度通期見通しについては、調整後の一株当たり利益を従来の3.85-3.95ドルから3.95-4.05ドルに引き上げました。
株価は9日の取引で前日比3.58ドル高(+7.4%)の51.94ドルで終了。週間では7.3%高となり、年初来では14.8%高となりました。
クローガーの第2四半期決算は5四半期連続で増収
米国ではガソリン価格高騰などの物価上昇や、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化見通しを背景に、景気後退懸念も高まっています。
こうした中、スーパーマーケット第3位のクローガーの2022年度第2四半期決算は5四半期連続で前年同期比増収を記録しました。
純利益も前四半期比で増益が続いており、業績の底堅さが目立っています。
同社は2022年度通期の利益見通しも引き上げており、生活必需品株の業績の底堅さを示す結果なりました。