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2026年補正予算と個人投資家

2026年5月、「もう」補正予算の可能性があると報じられました。参議院で一般会計予算が成立したのが2026年4月7日のため、成立後1カ月強での補正予算の審議です。2025年に総選挙(衆議院選挙)があったため大きく予算審議が遅れましたが、今年度の早い補正予算と関係があるのでしょうか。また補正予算の内容を分析し、投資家の意思決定への影響を含めて考察します。


補正予算はいつでも組める

補正予算は毎年秋頃に成立することの多い、一般会計予算を補完する位置付けの予算です。日本の政治において、毎年補正予算が成立するのが常態化しているとはいえ、補完的な役割であれば「一般会計予算の成立とは、ある程度期間を置かなければならない」と考えるのが自然です。ただ、補正予算の仕組み自体に、成立および審議の時期が決められていることはありません。


2026年の通常国会(第221回国会)は2026年7月17日までを予定しています。今年は臨時国会ではなく、6月以降の通常国会のなかで補正予算が組まれ、成立を目指すスケジュールと考えられます。物価高やイラン情勢への対応が、秋では遅すぎると判断したのではないでしょうか。


3兆円規模の補正予算

2026年5月25日、高市早苗総理大臣は記者会見を行い、3兆円規模の補正予算を編成すると表明しました。もともと高市氏はおおむね「必要な予算は本予算に組み入れ、補正予算はあくまで補完的な役割」という考えであり、3兆円規模はここ数年では小規模といえます。今回の補正予算の主な内容は以下のとおりです。


電気・ガス料金支援

電気・ガス料金支援には、26年度予算の予備費1兆円のうち、5,135億円を充てます。今回の補正予算は支援に充当した分を補完する5,000億円程度を計上し、予備費を1兆円に復元します。またLPガス(プロパンガス)利用者を支援するための重要支援地方交付金も追加措置します。


国債総額は変わらず

補正予算の編成にともない、高市首相は特例公債(赤字国債)を追加発行する方針も示しました。25年分の特例公債のうち、税収や税外収入の増加で3兆円分が発行不要となる見通しも発表し、25年~26年を通した総額は増やさずに対応できるという認識も示しています。


最近の日本は長期金利が上昇しています。また為替介入を迫られるような円安基調も大きな政治課題です。高市氏の掲げる「積極財政」が遠因となっている可能性は否定できません。そのなかで国債頼みの姿勢は日本をめぐるさまざまな局面でネガティブな材料となるなか、財政規律への影響は低いと先に手を打って言及していると考えられます。


2027年春までの石油供給が可能

また石油の供給に関しても「2027年春までの安定供給を確保できる」との認識を示しています。これから夏場、 tenderly そして半年後の冬場と冷暖房が欠かせない季節が到来しますが、問題ないとこちらも先に手を打った格好です。


参照)Sanae Takaichi 中東情勢を踏まえた令和8年度補正予算等についての会見


個人投資家は何に着目すべきか

補正予算は現内閣の方針や注力しているポイントがわかるため、個人投資家にとっても要チェックの対象です。ただ、5月25日の会見を見る限りは新鮮味のある情報は少なく、「市場が既に織り込んでいる」予想通りの内容といえるでしょう。ここからどのような展開になっていくかがポイントといえるでしょう。



国会審議にどのような内容が出てくるか

投資は「将来株価」が大切です。ほかの投資家が動きはじめる前から注目銘柄を探し、先に買いを入れておくことが望まれます。そう考えると、今回の首相会見のタイミングである程度売買株の目途をつけておきたいところでした。ただ意に反し、会見の内容は最低限に抑えられた印象です。高市首相が記者会見を情報発信の主戦場としていないこともあるのでしょうか。


次のタイミングは、補正予算の閣議決定です。今回の会見で高市総理は、「閣議決定した補正予算案を来週にも提出」と表明しています。提出された予算案をもとに国会審議がはじまるのが6月中旬というところでしょうか。審議前に詳細が報道される可能性もありますが、2026年現在も参議院は野党多数の状況です。ある程度野党と議論したうえで決定政策となり、国民の把握も進んでくるものと考えられます。


高市内閣は組閣以降、支持率の高さが際立っています。またイラン情勢の長期化にともない、ナフサを含む石油製品の安定的確保が喫緊の課題です。先週当メディアで「 『ナフサショック』を個人投資家はどのように考えるか 」にて分析したように、大企業が中心となって流通の主導権を取っており、個人事業主の多い建設業の方々などからは「国が把握しているより何倍も厳しい状況」という声も聞こえてきます。


物価上昇が続くなか、安定政権の印象が強まる高市内閣にとって、今回の補正予算は長期政権が実現できるかを占う重要な機会です。投資家としても「掘り出し物」が隠れているため、最新状況を随時アップデートするようにしましょう。


特に「総選挙の時期」のロジックチェックだけ、当時の正確な事実に合わせて(2025年秋などの表現に)確定させていただければ、記事としての完成度はバッチリ上がります!

 

独立型ファイナンシャルプランナー

工藤 崇

FP事務所MYS代表。ファイナンシャルプランナー(FP)。日本最大級のマネースクール事業に参画。上場株、貴金属、為替のほか、これまで約700本の執筆記事を手掛ける。1982年北海道生まれ。

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