「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回は2026年4月に上場した犬猫生活(556A)をみていきます。
同社は「わんちゃん・ねこちゃんとその家族の幸せを支える」ことをミッションに掲げ、「ペットフード等ペット関連商品の企画・販売、トリミングサロン、動物病院・往診クリニック」の運営を行っています。
主力事業は、国産無添加にこだわったプレミアムペットフードのD2C(消費者直接取引)販売です。2025年4月期時点で売上の約91%が自社ECサイト経由であり、さらに注文の約95%が定期購入という、極めて安定した収益基盤(ストック型ビジネス)を構築しているのが特徴です。
特に口腔ケアサプリメント「デンタルふりかけ」は、競合が少ないブルーオーシャン市場で高いリピート率(96.6%)を誇り、同社の急成長をけん引しています。また、著名実業家の前沢友作氏が率いる「前沢ファンド」が筆頭株主であることでも上場前から大きな話題を呼びました。
犬猫生活の株価推移(上場から2026年7月7日まで)
2026年4月23日に東証グロース市場に上場した同社の初値は3500円と、公開価格2990を17%上回りました。上場初日は買い意欲が極めて強く、終値はストップ高となる4200円で引ける非常に華々しいデビューを飾りました。
勢いは止まらず、翌24日には終値4900円、27日には上場来高値となる5400円を記録しました。しかし、その後は利益確定売りに押され、5月から6月上旬にかけては3000円台後半でのもみ合いが続きました。
大きな転換点となったのが、上場後初の本決算発表(6月15日)です。発表された26.4期の実績は、売上高44.9億円、純利益5.0億円と好調な着地となりました。しかし、同時に発表された27.4期の業績予想で、純利益が「5.6%減益」の4.7億円とされたことが市場に嫌気されました。翌16日の株価はストップ安(2680円)まで売り込まれました。
直近(7月7日)の終値は2282円となっており、公開価格こそ維持しているものの、上場来高値の半値以下に沈んでいる状況です。
【犬猫生活の日足チャート(上場から2026年7月7日まで)】

今後について
市場が過敏に反応した「減益予想」ですが、会社側の説明によれば、これは業績の悪化ではなく「税金負担の正常化(税効果会計の影響)」という会計上の要因によるものです。過去の繰越欠損金を使い切ったことなどによるもので、税引前利益ベースでは前期比20%増と、着実な成長トレンドを維持しています。
同社は中期経営計画として、フード販売のオーガニック成長に加え、動物病院の事業承継(M&A)を加速させる方針です。中長期的には「全国50病院以上のグループ化」をめざし、フードから医療までを網羅する「ペットライフ・プラットフォーム」の構築を掲げています。また、台湾を皮切りとしたアジア全域への海外展開も計画されています。
投資家にとって注目すべきは、今期(第9期)中に自社製品などによる「株主優待制度」の導入と詳細発表を計画している点です。現在のPERは13倍台と、成長性を考慮すれば過度な割安感も出始めています。
まずは、9月14日に予定されている27.4期・第1四半期(1Q)決算の内容が重要となります。ここで会社側の説明通り順調な成長が確認できれば、過度に売られた株価の見直し買いが進む可能性があると考えます。



