(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.65円(前営業日比▲2.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=145.68円(▲1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9862ドル(△0.0076ドル)
ダウ工業株30種平均:31082.56ドル(△748.97ドル)
ナスダック総合株価指数:10859.71(△244.87)
10年物米国債利回り:4.22%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=85.05ドル(△0.54ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1656.3ドル(△19.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月米財政収支 4297億ドルの赤字 2196億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は13日ぶりに反落。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も先行し、21時30分過ぎに一時151.95円と1990年7月以来32年ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが一時4.3354%前後と2007年11月以来の高水準を記録したことも相場の支援材料となった。
ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると一転売りが優勢に。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は最新の投稿で「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決め、12月に0.50%に利上げペースを落とすかどうかを議論する公算が大きい」「一部の当局者は過度な景気悪化を警戒し、利上げ減速や来年早々の利上げ停止を求めている」と指摘。米利上げ減速観測が高まると、米金利が急低下しドル売りが広がった。
23時30分頃からは円買いが活発化した。市場では政府・日銀による円買い介入観測が高まり、一時146.23円まで急速に値を下げた。日経新聞は関係者の話として「政府・日銀は為替介入に踏み切った」と報じた。
市場では「WSJの記事で米利上げ減速観測が高まったのを見計らったかのような絶妙のタイミング」「週末のNY時間に介入はないだろうと予想していた投資家は多かった」との声が聞かれた。
・ユーロドルは続伸。米長期金利が15年ぶりの高水準を更新したことを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時0.9705ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。WSJ記事をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まると、米金利が急低下し一転ドル売りが進んだ。一時は120ドル超下落したダウ平均が780ドル超上昇したこともリスク・オンのドル売りを促し、4時30分前には0.9869ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時111.70まで低下した。
なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、「利上げペースを緩める時期に近づいている可能性」などと発言。タカ派とみられていたデイリー氏の姿勢がハト派に傾いたこともドル売りを誘った。
・ユーロ円は反落。23時過ぎに一時148.40円と2014年12月以来の高値を付けたものの、そのあとは政府・日銀による円買い介入観測を背景に144.13円まで一転急落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに大幅反発。米長期金利が15年ぶりの高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが先行。一時120ドル超下落した。ただ、WSJ記事をきっかけにFRBの利上げ減速観測が高まると、米金利の低下とともに株買いが膨らんだ。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の「利上げペースを緩める時期に近づいている可能性」との発言も好感されて、一時780ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに大幅反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。FRBの大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りが先行。利回りは一時4.3354%前後と2007年11月以来の高水準を記録した。ただ、WSJ記事をきっかけにFRBが利上げペースを減速するとの観測が高まると、一転買い戻しが優勢となり持ち直した。利回りは一時4.19%台まで低下した。
・原油先物相場は上昇。FRBが利上げペースを遅くするとの観測が広がると、米国株高とともに原油先物にも買いが強まった。
・金先物相場は続伸。WSJのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が「12月に0.50%に利上げペースを落とすかどうかを議論する公算が大きい」との記事を投稿したことで米長期金利の低下とドル売りが活発化。ドルの代替資産とされる金に買いが入った。