NYマーケットダイジェスト・8日 株高・金利低下・ドル安・仮想通貨急落

(8日終値)

ドル・円相場:1ドル=145.68円(前営業日比▲0.95円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=146.77円(▲0.11円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0074ドル(△0.0054ドル)

ダウ工業株30種平均:33160.83ドル(△333.83ドル)

ナスダック総合株価指数:10616.20(△51.68)

10年物米国債利回り:4.12%(▲0.09%)

WTI原油先物12月限:1バレル=88.91ドル(▲2.88ドル)

金先物12月限:1トロイオンス=1716.0ドル(△35.5ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)

特になし


(各市場の動き)

・ユーロドルは3日続伸。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まる中、米10年債利回りが4.11%台まで低下すると全般ドル売りが先行。アジア時間の高値1.0031ドルを上抜けて一時1.0096ドルと9月13日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。市場では「本日投開票の米中間選挙や10日発表の10月米消費者物価指数(CPI)など、米重要イベントを前に持ち高調整目的のドル売りが出た」との声も聞かれた。


・ドル円は下落。FRBが利上げペースを減速するとの観測が高まる中、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。前日の安値146.09円を下抜けると一時145.31円と10月27日以来の安値を付けた。ダウ平均が一時520ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移したこともリスク・オンのドル売りを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.37と9月20日以来の低水準を付けた。


・ユーロ円は3日ぶりに小反落。ドル円の下落につれた売りが出て一時145.99円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出て146.87円付近まで下げ渋った。


・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは一転下落した。「仮想通貨交換業最大手のバイナンスが同業大手FTXトレーディングの事業を救済買収することで合意」との報道が伝わると買いで反応し、対ドルで一時2万655ドル前後まで上昇したもののすぐに失速した。4時30分過ぎには一時1万7172ドル前後まで下落した。対円でも300万円台から253万円付近まで急落した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。FRBが利上げペースを減速するとの観測が高まる中、米長期金利の低下とともに株買いが先行。指数は一時520ドル超上昇した。ただ、本日投開票の米中間選挙や10日の10月米CPIの結果を見極めたい向きも多く、急速に伸び悩む場面があった。ビットコインなど仮想通貨が軒並み急落したことも投資家心理を冷やした。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸。


・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反発。本日投開票の米中間選挙や10日発表の10月米CPIなど、米重要イベントを前に持ち高調整目的の買いが入った。


・原油先物相場は続落。ゼロコロナ政策が継続される見込みの中国で、コロナウイルス感染拡大が懸念されていること、また米中間選挙の結果が出るまではリスク回避的な動きになったことで、原油先物は上値が重い動きだった。引けにかけてはさらに下げ幅を広げ、続落して引けた。


・金先物相場は3日続伸。米国の中・長期金利が低下幅を広げるとドルが全面安になり、ドルで取引される金先物は割安感から急騰し、1カ月超ぶりに1700ドル台を回復した。市場では明日以後から開票される米中間選挙の結果を前に、リスク回避的な動きから金先物に買いが集まったとの声も聞こえた。なお、金先物だけでなく銀、プラチナ等も大幅高となった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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