9日の香港株式市場で、ハンセン指数は続落。終値は前日比1.20%安の16358.52ポイントだった。中国企業指数は1.21%安の5534.76ポイント。メインボードの売買代金は概算で1112億9000万HKドル。
ハンセン指数は序盤に前日終値を挟んでもみ合った後、下げ幅を拡大。後場には下落率が2%を超える場面があった。中国本土で新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者が増えており、行動規制などの防疫措置が景気回復の足かせになると懸念が次第に強まった。8日の米株式相場は3日続伸だったが、香港時間9日はダウ平均先物が軟調に推移し、中国本土相場が下落したことで地合いが悪化。ロイター通信がまとめた市場コンセンサスで、10月の人民元建て貸付残高増加額の予想値が約8000億元と前月の3分の1程度にとどまったと伝わり、中国景気の減速が改めて意識されたもよう。セクター別では医療・ヘルスケアと情報技術、一般消費財が安かった半面、素材と不動産・建設が買われた。
ハンセン指数構成銘柄では、大型ネット株の美団(03690)とテンセント(00700)、アリババ集団(09988)、JDドットコム(09618)がそろって売られ、相場の重荷となった。自動車株のBYD(01211)と吉利汽車(00175)の下げがきつい。医薬品関連の薬明生物技術(02269)と阿里健康(00241)は続落した。一方、不動産株の碧桂園(02007)、碧桂園服務(06098)、龍湖集団(00960)が高い。中国銀行間市場交易商協会が8日、民営企業による起債への支援を拡充すると発表し、債務問題の解消につながるとの思惑買いが入ったもよう。
ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は1.89%安の3280.48ポイントと続落。電気自動車の蔚来集団(09866)と小鵬汽車(09868)、動画プラットフォームのビリビリ(09626)が大幅に続落した。前日買われたデータセンターの万国数拠(09698)も下げた。半面、半導体ファウンドリーの華虹半導体(01347)とSMIC(00981)、スマートフォン部品メーカーの瑞声科技(02018)が上昇した。