(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=139.28円(前営業日比▲0.61円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.15円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0349ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:33592.92ドル(△56.22ドル)
ナスダック総合株価指数:11358.41(△162.19)
10年物米国債利回り:3.77%(▲0.08%)
WTI原油先物12月限:1バレル=86.92ドル(△1.05ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1776.8ドル(▲0.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは小反発。欧州時間発表の11月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けて、NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが進行。10月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%/前年同月比8.0%と予想の前月比0.4%/前年同月比8.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比横ばい/前年同月比6.7%と予想の前月比0.3%/前年同月比7.2%より弱い数字となったことが分かるとドル売りがさらに進んだ。22時30分過ぎには一時1.0479ドルと7月1日以来の高値を付けた。
ただ、ユーロの上値は重かった。「ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た」との報道が伝わると、ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されてユーロ売りが優勢に。アジア時間の安値1.0312ドルを下抜けると一時1.0280ドルまで下げ足を速めた。
・ドル円は反落。米PPIの下振れを受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まると一時137.68円と8月29日以来の安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利が低下幅を縮めたことなどが相場を下支えして、139.69円付近まで下げ渋った。クックFRB理事やバーFRB副議長が「インフレは高すぎる」との見解を示したことも買い戻しを誘った。
・ユーロ円も反落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは方向感が出なかったが、ロシアのミサイルがポーランドに着弾したと伝わると、欧州の地政学リスクが警戒されて円買い・ユーロ売りが優勢となった。一時は450ドル超上昇したダウ平均が失速し、210ドル超下落したことも相場の重しとなり、143.35円と日通し安値を更新した。
なお、ポーランドズロチは大幅に下落。対ドルでは一時4.6160ズロチ、対ユーロでは4.7487ズロチまで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。10月米PPIが予想を下回ったことで、FRBが利上げペースを減速するとの見方が強まる中、株買い先行。一時450ドル超上昇した。ただ、先週の大幅高を受けた利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面があった。「ロシアのミサイルがNATO加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た」との報道を受けて、地政学リスクの高まりが意識されると一時210ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。10月米PPIが予想を下回ったことで、FRBが利上げペースを減速するとの見方が強まり債券買いが先行。「ロシアのミサイルがポーランドに着弾した」と伝わったことも債券買いを促した。
・原油先物相場は反発。中国の需要の行方が不透明なことや、石油輸出国機構(OPEC)の需要見通し下方修正を嫌気した前日来の流れが先行した。一時84.06ドルと、10月25日以来の84ドル割れに迫った。
しかし、そこからは弱い米PPIを受けた米金利低下をにらみ、米株高とともに原油相場にもリスクオンを意識した買い戻しが入った。その後、ロシアのミサイルがポーランドに着弾とのニュースがリスクオフの米株下振れを誘ったが、エネルギー供給の行方に関する不透明感が原油相場の下支え要因となった。
・金先物相場は4日ぶりに小反落。米金利が低下するなか、金利のつかない資産である金を買う動きが先行し一時1791.8ドルと8月17日以来、約3カ月ぶりの高値へ上振れ。しかし、同水準で上昇はいったん頭打ち。3営業日続伸後の利益確定売りが強まり、前日比マイナスの水準へ沈んで引けた。ただ、引け近辺にロシアのミサイルがポーランドに着弾とのニュースが伝わり、時間外取引で安全資産の金は買われた。