香港大引け:4日ぶり反落、地政学リスクと中国コロナ再拡大が重荷

16日の香港株式市場で、ハンセン指数は4日ぶりに反落。終値は前日比0.47%安の18256.48ポイントだった。中国企業指数は0.70%安の6225.71ポイント。メインボードの売買代金は概算で1732億9000万HKドル。


ハンセン指数は安く始まった後、序盤は前日終値を挟んで一進一退の展開。中国政府が景気刺激策を打ち出すとの期待は根強いものの、ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりを受けた売りに押された。中国本土で15日の新型コロナウイルス新規感染者が2万人を超えたこともあって、中盤に下げ幅を広げ、心理的節目の18000ポイントに近づく場面があった。きょうの中国本土相場の下落も投資家心理を悪化させた。セクター別では公共事業と医療・ヘルスケアが上げた半面、不動産・建設と工業が下げた。


ハンセン指数構成銘柄では、不動産株の碧桂園(02007)と碧桂園服務(06098)、龍湖集団(00960)が急落した。自動車メーカーの吉利汽車(00175)とスマートフォンメーカーの小米集団(01810)、火鍋チェーンの海底撈国際(06862)は大幅に反落。生活関連サイト運営の美団(03690)が売られ、相場の重荷だった。一方、2022年7-9月期決算を大引け後に発表したテンセント(00700)が上昇して一定の下支えとなった。ビール大手のバドワイザーAPAC(01876)やオンラインゲームのネットイース(09999)も高い。前日下げた宝飾品販売の周大福珠宝(01929)は買い戻された。


ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は0.23%安の3805.25ポイントと4日ぶりに反落。スマートフォン部品メーカーの瑞声科技(02018)、不動産業向けソフトウエアの明源雲集団(00909)の下げがきつい。電気自動車メーカーの理想汽車(02015)と蔚来集団(09866)、小鵬汽車(09868)はそろって反落した。半面、顔認証システムのセンスタイム(00020)とデータセンターの万国数拠(09698)が急上昇。

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

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