(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=133.02円(前営業日比△0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=137.30円(△0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0320ドル(△0.0021ドル)
ダウ工業株30種平均:33336.67ドル(△27.16ドル)
ナスダック総合株価指数:12779.91(▲74.89)
10年物米国債利回り:2.89%(△0.11%)
WTI原油先物9月限:1バレル=94.34ドル(△2.41ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1807.2ドル(▲6.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
7月米卸売物価指数(PPI)
前月比 ▲0.5% 1.0%・改
前年比 9.8% 11.3%
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比 0.2% 0.4%
前年比 7.6% 8.4%
前週分の米新規失業保険申請件数 26.2万件 24.8万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小反発。前日の7月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日発表の7月米卸売物価指数(PPI)も予想を下回ったことから円買い・ドル売りが先行。21時30分過ぎに一時131.74円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表雲の下限131.68円がサポートとして意識されたほか、米長期金利が上昇に転じたことが相場の支援材料となり、5時前には133.14円付近まで持ち直した。なお、一時2.72%台まで低下した米10年債利回りは2.90%台まで急上昇した。米30年債入札が「低調」と受け止められたことも金利上昇につながった。
なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「インフレとの戦いで勝利宣言するのは時期尚早」「9月20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%利上げが基本となるものの、0.75%利上げも排除しない」などと発言。前日のエバンス米シカゴ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁に続き、市場で台頭している「米インフレはピークアウトした」との観測をけん制した。
・ユーロドルは4日続伸。前日の米CPIや本日の米PPIの下振れを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げ観測が後退。幅広い通貨に対してドル売りが先行し、23時前に一時1.0364ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0368ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、1.0310ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は反発。ドル円の下落につれて21時30分過ぎに一時136.31円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て、5時30分前には137.39円と本日高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸し、5月4日以来約3カ月ぶりの高値となった。7月米PPIの下振れでインフレ懸念が和らぐと、FRBの急激な利上げ観測が後退し、買いが入った。ただ、米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが広がると、伸び悩んだ。指数はマイナス圏に沈む場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。米長期金利が大幅に上昇すると高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。予想を下回る7月米PPIをきっかけに債券買いが先行したものの、そのあとは一転下落した。FRB高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言が相次いだことで債券売りが出たほか、米30年債入札が「低調」と受け止められたことが相場の重し。
・原油先物相場は大幅に続伸。国際エネルギー機関(IEA)はこの日に発表した市場リポートで、2022年と23年の世界の石油需要見通しを上方修正した。天然ガス価格の高騰により、代替エネルギー源としての需要が伸びるとの見込み。これを受けて原油買いが強まり、一時95ドル台に乗せる場面もあった。
・金先物相場は4日ぶりに反落。NY朝方に発表された7月米PPIが総じて予想を下回ったことを受け、為替ではドルが再び弱含み、ドル建ての金にも買いが入った。ただし上げ幅は限定され、その後は利益確定の売りに抑えられた。米長期金利が上昇に転じたことも、金利を生まない金の重しとなった。