2024年の米国個別株の主役といえるエヌビディアが確定売りから下落する日も多くなってきました。6月26日の米国株相場では買戻しが続き、時価総額も3兆ドルまで回復しています。今後も期待できる銘柄ではあるものの、エヌビディア本体に投資するほかに選択肢は無いのかという「先物買い」の期待も高まってきました。
自動運転のニュースが届く頃合いか
以前から筆者は自動運転の「レベル4」本格稼働が半導体銘柄の株価を押し上げると予測してきました。下記の表に当てはめると、現在レベル3からレベル4への移行期といわれています。
同メディアでも自動運転の最新状況を分析しています。
引用:各種資料から筆者作成
日産自動車は運転席が後ろに向く自動運転車を発表予定です。自動運転の際に道路の状況や地図、運転状況などを判断するのは、生成AIの技術といわれています。自動運転のほかに注目したい「半導体廻り」は何があるのでしょうか。
「半導体関連企業」を探そう
日本国内でも半導体工場が次々と建設されています。TSMCの子会社であるJASMや、東京エレクトロンの大規模工場が進出した熊本県の菊陽町は、いまや日本でもっとも注目される自治体といっても過言ではないでしょう。
半導体に限りませんが、群を抜いた企業が現れた際、その「関連企業」もまた多大な恩恵を受けます。特に半導体は顕著です。JASMは半導体委託製造サービスを展開する会社として注目されています。
半導体で次に注目されているのは北海道千歳市にて建設中のRapidus(ラビダス)です。北海道を代表する新千歳空港の側に巨大な第一工場の建設が進んでいます。工場が実際に稼働すれば、本記事のテーマである「半導体関連事業」についても我先にと工場の周りに集結し、コミュニティを築くことでしょう。
では半導体関連企業を、実際の企業を例にあげながら深掘りしていきます。
いま注目されている半導体企業が株式会社アドバンテストです。
同社は半導体および部品のテストシステム製品群、および半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス関連事業が主力です。半導体技術が実社会にて活用され、商品が展開すればするほど、品質維持および安全性の担保という点において需要があります。
トーメンデバイスは韓国のサムスングループの半導体製品や電子部品などを主に販売するエレクトロニクス会社です。例えるなら「半導体を社会インフラとして提供する専門商社」というところでしょうか。
UTグループは製造・設計・開発に特化した無期雇用派遣事業です。エンジニアや設計者といった専門職は人材単価も高く、ほかの人材派遣業と比較して「専門領域を持つ人材派遣」の強みは特筆すべきものがあります。UTグループは製造大手として、クライアントである半導体をはじめとした製造各社から、高い信頼を得ています。
特定の会社が伸びることで、追随する銘柄を探索する
半導体に限らず、特定の会社が伸びることで追随する銘柄があります。新たな投資機会の発掘においては、それを市場よりも「先読み」し、青田買いをしておくことが大切です。個別株に投資するほか、将来的にポートフォリオを変えそうな投資信託に早期ベットするのも賢い方法といえるでしょう。
一例としては「野村世界業種別投資シリーズ」や三井住友トラストの「半導体関連 世界株式戦略ファンド」などが注目です。エヌビディアが急激に注目される前からこれらのファンドをホールドしておくと、構成銘柄にエヌビディアなどの注目株を組み入れ、基準価格が上昇することが期待できます。投資信託のため、個別株よりリスクを軽減できることもメリットです。
昨今のニュースでは、東京都の南鳥島周辺でコバルトやニッケルといった「レアメタル」が発見されたと報じられました。資源の生産性が低い日本において、コバルトは国内消費量の約75年分以上が海底に眠っていると予測されています。
コバルトやニッケルを含む貴重素材を含めた投資信託や先物などは注目です。ただ、同所での採掘環境を整えるには多大な費用と時間が必要なため、回収には時間のかかる長期投資であることは充分に留意しましょう。建設は間違いないけれど諸事情により時間を要しているリニア中央新幹線なども、この定義に含まれる投資だといえます。