(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=138.72円(前営業日比△1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=138.69円(△1.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9997ドル(△0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:32098.99ドル(▲184.41ドル)
ナスダック総合株価指数:12017.67(▲124.04)
10年物米国債利回り:3.10%(△0.06%)
WTI原油先物10月限:1バレル=97.01ドル(△3.95ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1749.7ドル(▲0.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。アジア時間に一時139.00円まで上昇した反動でポジション調整目的の売りが先行すると、21時30分過ぎに一時138.27円付近まで下押しした。WTI原油先物価格の上昇を背景に、対資源国通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けた。
ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の26日の講演で米金融引き締めの長期化観測が強まる中、引けにかけては再び強含んだ。米長期金利の上昇に伴う買いも入り、一時138.88円付近まで値を上げた。
・ユーロドルは反発。欧州の天然ガス価格の下落を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念が和らぐとユーロ買い戻しが広がった。フォンデアライエン欧州委員長が「電力市場への緊急介入を準備」と述べたと伝わるとユーロ買いがさらに進み、一時1.0029ドルと日通し高値を付けた。
ただ、そのあとは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため、0.9981ドル付近まで下押しした。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが「遅過ぎず速過ぎない安定したペースでターミナルレートとの差を埋めることが重要」と述べ、大幅利上げの議論をけん制したことも相場の重し。
なお、一部のECB政策委員会メンバーからは「記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で、通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき」との声が上がっている。
・ユーロ円は続伸。天然ガス価格の下落をきっかけに全般ユーロを買い戻す動きが先行。一時310ドル超下落したダウ平均が上げに転じたタイミングで円売り・ユーロ買いが活発化すると、2時過ぎに一時138.97円と7月28日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円もしっかり。ポンド円は一時162.65円、豪ドル円は95.93円、NZドル円は85.52円、カナダドル円は106.81円、南アフリカランド円は8.25円、メキシコペソ円は6.95円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。前週末のパウエルFRB議長の講演を受けて、金融引き締めの長期化観測が強まると、米景気の悪化を懸念した売りが優勢となった。指数は一時310ドル超下げた。ただ、足もとの相場急落を受けて短期的な戻りを期待した買いが入ると、上げに転じる場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前週末のパウエルFRB議長の講演を受けて、金融引き締めの長期化観測が強まると債券売りが優勢となった。利回りは一時3.1266%前後と6月29日以来2カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は大幅続伸。サウジアラビアが先週、石油輸出国機構(OPEC)プラスが減産に踏み切る用意があると言及したことに関して、複数のOPEC加盟国が減産方針の支持を表明。供給不安を背景にした買いが強まり、一時97.37ドルと7月29日以来の高値を更新する場面も見られた。
・金先物相場はほぼ横ばい。前週末のパウエルFRB議長発言を受けた米金利の上昇はこの日も継続。金利がつかない資産である金相場の重しとなった。一方で、外国為替市場では対ユーロなどでドル売りが進んだため、ドル建てで取引される金の割安感を手掛かりにした買い戻しも入った。