漫画アプリ「ピッコマ」を運営するカカオピッコマとは?
2022年8月下旬、漫画アプリの「ピッコマ」を運営するカカオピッコマが、2023年にも新規株式公開(IPO)を行う考えとの報道がありました。
普段から漫画アプリを利用されている方にはいまさらの話になるかと思いますが、ここでカカオピッコマという会社と、アプリ「ピッコマ」について、確認しましょう。
カカオピッコマは、韓国のメッセージアプリ大手カカオの日本法人です。上記の上場観測を報じた米ブルームバーグ通信の記事によれば、カカオピッコマの2021年の年間累計販売金額は694億円と前年の376億円から大きく拡大し、その後も四半期ベースの伸びは前年同期を上回って推移しているとしています。
また、米調査会社「data.ai」の調査の結果、2021年世界で最も有料利用が多かった漫画配信アプリに選ばれたことも伝わっており、近年で特に伸びている漫画アプリの一つであることは間違いないでしょう。
国内トップの利用者数
利用者数について比較してみます。ニールセンデジタルによる「デジタルコンテンツ資料率」のレポートをもとに、ニールセンデジタルが発表した、電子コミック配信サービスを対象にした「コミック」ジャンルの視聴状況によれば、「ピッコマ」の利用者数は821万人で国内首位。2位がLINEマンガの553万人をかなり上回っています。一方、月間平均利用回数は「めちゃコミック」が83回がトップで、「ピッコマ」は2位の76回となっています。
電子コミック配信サービス視聴者数について 視聴者数(左軸・万人)平均利用回数(右軸・回)
ニールセンデジタルが発表した電子コミック配信サービスを対象にした「コミック」ジャンルの視聴状況より、DZHフィナンシャルリサーチ作成
業績の伸びを見ても、利用者数のシェアをみても、国内トップクラスですね。そんな同社ですが、報道によれば上場先は東京証券取引所で、時価総額は8000億円以上を想定しているそうです。時価総額8000億円という東京証券取引所に上場するすべての企業のなかでも200位以内には入ってくるほど規模。ちなみに新規上場の多いグロース市場の時価総額トップクラスのビジョナルやフリーでも2000億円台です。
この8000億円という数字は、2021年にカカオピッコマが資金調達を実施した際の企業価値をもとに想定したもののようですが、その当時と市場環境は大きく変化しており、今後上場する際に同程度の評価がつくかは不透明な部分もありそうです。だとしても実現すれば、2023年トップクラスの注目度となるでしょう。