今回は2025年3月のIPOで事業内容に注目した3銘柄を紹介したいと思います。具体的には、「ZenmuTech」、「ミライロ」、「トヨコー」となります。なお、チャートは上場から2025年4月1日までの日足となります。
1. ZenmuTech(338A)
ZenmuTech(以下、ゼンムテック)は、2025年3月27日に東京証券取引のグロース市場に上場しました。初値は5000円となり公開価格1580円を大幅に上回る非常に好調なスタートとなりました。
ゼンムテックは、自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT」を活用した「秘密分散ソリューション『ZENMU』シリーズ」の展開などを行っています。
「ZENMU-AONT」は、データを暗号化したうえで複数の意味のないデータに変換・分散し、分散片単独では元のデータの復元や解析をできないようにする処理を行うということです。
データの復元には暗号鍵やパスワードによる管理ではなく、全てのデータの分散片をそろえることで復元するアルゴリズムを実現していますので、暗号鍵やパスワードによる管理を必要とすることなく、データを守ることをできるとしています。
革新的暗号化技術を持つ会社であり、今後の成長が期待されます。業績ですが、今期(25.12期)の営業利益の会社予想は1.1億円(前期比47%増)となっています。大幅増益予想ではありますが、業績水準は低いといえます。ただ、足元の利益はそれほど気にする必要はないでしょう。5年、10年先を見据えて投資したい会社であるといえます。
2. ミライロ(335A)
ミライロは、2025年3月24日に東京証券取引のグロース市場に上場しました。初値は公開価格270円を大きく上回る661円と好調なスタートとなりました。
ミライロは、2019年7月からデジタル障害者手帳「ミライロID」をスマホアプリとして提供しています。「ミライロID」は、障害情報登録機能、プッシュ通知機能、クーポン機能、アンケート機能、マップ機能、ストア機能など多様な機能を実装しており、2024年12月31日現在における「ミライロID」の導入事業者数は4094事業者、ユーザー数は43.5万人となっています。
また、障害のある当事者が講師となるなどの「ユニバーサルマナー研修および検定」や聴覚障害者などに向けた情報保障サービスの提供などの「コミュニケーションサポート」も提供しています。
2024年9月期の売上高構成比は、ミライロIDソリューション33.6%、ユニバーサルマナー研修および検定42.0%、コミュニケーションサポート24.4%となっており、ユニバーサルマナー研修および検定の割合が最も大きくなっています。
業績ですが、今期(25.9期)の営業利益の会社予想は1.8億円(前期比21%増)となっています。「ミライロID」の普及率は障害者手帳保有者のうち約5%に過ぎないとのことですので、成長余地は大きいといえます。また「ユニバーサルマナー研修および検定」も順調な成長が見込まれます。社会的意義が大きいだけではなく、成長にも期待できる会社として注目しています。
3. トヨコー(341A)
トヨコーは、2025年3月28日に東京証券取引のグロース市場に上場しました。初値は公開価格730円を上回る871円と堅調なスタートとなりました。
トヨコーは、インフラメンテナンスのテクノロジーSOSEI(ソセイ)事業とCoolLaser(クーレーザー)事業を展開しています。
SOSEI事業では、瞬間硬化する特殊な樹脂を老朽化した屋根上に吹き付け補強するスプレーカバー工法(SOSEI)を提供しています。2024年12月までに累計152万平方メートルの施工実績に達したとのことです。
CoolLaser事業は、高出力サビ取りレーザー施工装置CoolLaserを提供しています。これまで工場内部で切断工程や溶接工程に使われていた高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、橋梁や鉄塔などの分厚いサビ・塗膜除去を行う事ができる技術とのことです。同社はこの工法のフロントランナーとして確固たる優位性を築いているとしています。
業績ですが、前期(25.3期)の営業利益の会社予想は1.8億円(前期は1.9億円の赤字)となっています。CoolLaser事業については25.3期から製品装置売り上げの計上が開始されており、本格的な業績寄与は今期以降になりそうです。革新的なレーザークリーニング装置が業績をけん引することに期待してみるのもよいと考えます。
最後に
今回は2025年3月のIPOで事業内容に注目した3銘柄を紹介しました。どの会社も魅力的な会社ですので、短期的な株価は気にせず、長期視点でのんびり保有することをお勧めします。