4月の食品値上げ 4000品目超

帝国データバンクは3月31日、主要食品メーカー195社の価格改定動向調査を発表しました。同調査によると、2025年4月は4225品目(前年同月比1328品目増、45.8%増)が値上げされることとなりました。


単月の値上げ品目数としては、1月以降4カ月連続で前年を上回っており、値上げのピークを迎えた23年10月以来1年6カ月ぶりに単月で4000品目を超えるなど、大規模な値上げラッシュが発生しています。


同月の値上げを品目別にみると、調理用みそ製品を中心とした「調味料」が全食品分野で最も多く2034品目、値上げ率は12%となりました。


続いて、「酒類・飲料」は、缶ビール・缶チューハイなどの酒類で一斉に価格が引き上げられるほか、コーヒー飲料で値上げとなり、1222品目が値上げ。24年10月以来6カ月ぶりに単月で1000品目を超えたことになります。


また、「加工食品」は、ハム・ソーセージ製品や冷凍食品などの値上げが多く、659品目。食用油など「原材料」の33品目を含め、嗜好品や利用頻度の高い飲食料品が主な値上げ対象となったと帝国データバンクでは分析しています。


値上げの品目数についての推移(帝国データバンク公表データをもとにDZHFR作成)


2025年通年で現在までに公表されている分については、1-9月までの公表分で累計1万1707品目に上っています。年間で1万品目を突破するのは、調査を開始した2022年以降で4年連続となっており、毎年のように食品の値上げが常態化していますが、注目したいのはそのペース。


2024年の値上げ実績1万2520品目に対し、現時点で判明している分ですでに9割超の水準に達しており、前年より値上げがハイペースで実施されていることがわかります。なかでも、食品分野別では冷凍食品やパックごはんを中心とした「加工食品」が最も多い3499品目で、飲食料品における値上げの勢いは前年に比べて大幅に強まっています。


値上げの要因については、原材料などモノ由来の値上げが多くを占める一方で、人件費や物流費など「サービス」価格上昇の影響を受けた値上げ要因も拡大しています。2025年における要因のうち、最も大きいものは「原材料高」(97.8%)。これは、要因別の集計を開始した2023年以降で最も高い水準だということです。


トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは81.8%を占め、前月調査時(80.9%)から割合がより拡大しました。「人件費」由来の値上げも45.1%を占め、前月調査時(43.5%)から拡大しています。


ことしの春闘を見ていても各社賃上げの動きが鮮明になっており、最低賃金の引き上げのほか、人手不足に伴う昇給・賃上げによるコスト増から価格改定に踏み切るケースが増えていると帝国データバンクは指摘しています。


同調査によれば、2025年は今後も人件費や物流費などサービス由来のコスト増を要因とした値上げが拡大し、累計では2万品目前後になると予想されています。世界的な供給難や円安による原材料・エネルギー価格が中心だった2024年前半に比べ、トレンドが変化。急激な為替の変動による値上げは一服傾向にあるものの、天候不順による生育不良や肥料価格の上昇、燃油などのエネルギー、輸送費用といった間接コストが重なり、コメや野菜類をはじめとした国産食材の調達コストの増加している点が特徴です。


今夏にかけても断続的な値上げラッシュの発生が見込まれており、家計にはダメージとなりそうです。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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