「萩原工業」と「学情」は、どちらも長期的に安定した株主還元が期待できる企業です。また、株主優待でクオカードがもらえる点でも注目されています。今回は、決算予想や配当状況、株主優待の内容などを詳しくご紹介します。
萩原工業(7856)
萩原工業は、ポリエチレンやポリプロピレンを原料とした延伸テープ「フラットヤーン」を核とした、ブルーシートや遮光ネット、土木・建築向け樹脂シート、カーペットなどの合成樹脂製品を製造・販売する企業です。
また、合成樹脂製品を裁断するスリッターなどの機械製品や、コンクリート補強用の合成繊維「バルチップ」の製造・販売も行っています。
萩原工業の決算予想は?
2024年度の売上高は約331億円、経常利益は約22億円でした。2025年度は売上高が約340億円、経常利益は約25億円の予想で、どちらもやや増収・増益となる見込みです。2022年度に原材料高騰のため経常利益が約17億円まで落ち込みましたが、業績は安定しており、売上高はほぼ横ばいとなっています。
萩原工業の株価
2025年8月時点の株価は約1700円です。2009年に約300円だった株価は、2018年には約2000円まで上昇しました。2022年に業績悪化の影響で約1000円まで下落するものの、2023年には約1800円まで回復し、その後はほぼ横ばいを推移しています。
株主優待でクオカードを受け取るためには?
萩原工業の株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、株式の保有数および保有年数によって異なり、それぞれクオカードや自社商品、食料品などから1点が選択可能です。
株主優待内容の詳細は、下記の一覧表をご確認ください。株主優待でクオカードをもらうためには、100株以上の株式を3年未満保有する必要があります。
株主優待が廃止されるのはいつから?
萩原工業の株主優待は2025年10月末の権利確定日贈呈分を最後に廃止されます。株主優待の廃止は2023年に発表されており、株主優待廃止後は、配当金にて株主還元されるようです。配当利回りの上昇が期待される一方、2025年10月末の権利落ち日以降の株価下落が懸念されます。
萩原工業の配当金は連続増配中
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で30円、10月末の期末配当で35円の、年間1株当たり65円となる予想です。この金額は、2022年度の36円、2023年度の50円、2024年度の60円から3期連続で増配しています。
萩原工業の利回り
1株1700円で100株購入した場合、投資金額は17万円になります。配当金額は年間1株当たり65円のため6500円となり、配当利回りは約3.8%です。
また、初年度は株主優待として年間約1000円相当の商品が贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.4%になります。株式の保有数および保有年数による、配当と優待を合わせた利回りは、下記の一覧表をご参考ください。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約2.4%、2022年度は約3.1%、2023年度は約3.7%、2024年度は約3.9%でした。2022年度以降、毎年3%を超える高い配当利回りが継続しています。
学情(2301)
学情は、新卒採用支援サービス「あさがくナビ」や第二新卒中途採用支援サービス「Re就活」などの若年層向けの人材サービスを提供する企業です。就職希望者と人材を希望する企業のそれぞれに適切なサービスを提供し、マッチングを行っています。
学情の決算予想は?
2024年度の売上高は約107億円、経常利益は約31億円でした。2025年度は売上高が約110億円となりやや増収する見込みで、2020年度以降毎年少しずつ売上高が上昇しています。一方、経常利益は約24億円に減益となる予想で、景気悪化による売上原価が上昇していることが原因と見られます。
学情の株価
2025年8月時点の株価は約1700円です。2012年までの株価は約300円前後を推移していましたが、小さな株価変動を繰り返しながら徐々に株価を上げて2019年には約2500円の高値を付けました。しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年に約1000円まで下落。2023年頃から再び上昇し、その後は約2000円前後を推移しています。
株主優待でクオカードを受け取るためには?
学情の株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、500株以上の株式を保有する株主に対して、3000円分のオリジナルクオカードが一律で贈呈されます。
以前は、100株以上保有すると500円分のクオカードがもらえましたが、2022年10月末の権利確定日分から変更されました。優待内容は実質拡充されていますが、最低投資金額が高額になり、投資リスクが高くなっています。
学情の安定した配当状況
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で33円、10月末の期末配当で34円の、年間1株当たり67円となる予想です。この金額は、2020年度の30円、2021年度の37円、2022年度の43円、2023年度の51円、2024年度の65円から5期連続で増配しています。
連続増配していますが、配当性向は毎年約40%前後となっており、安定した配当が続けられていることが分かります。
学情の利回り
1株1700円で500株購入した場合、投資金額は85万円になります。配当金額は年間1株当たり67円のため33500円となり、配当利回りは約3.9%です。また、株主優待として年間3000円相当のクオカードが贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.3%になります。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約2.8%、2022年度は約4.0%、2023年度は約3.1%、2024年度は約3.6%でした。安定した配当で高い利回りの継続を実現しています。
まとめ
萩原工業と学情についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
どちらも株主優待でクオカードがもらえる高配当銘柄として人気でしたが、残念ながら萩原工業の株主優待は今年度限りで廃止されます。しかし、連続増配により高い配当利回りを維持しており、優待廃止後も配当重視の投資先として検討できる銘柄です。
今後は、萩原工業は配当重視派に、学情は成長性と株主優待のクオカードを併せて楽しみたい投資家に向いているといえるでしょう。配当と優待のバランスを考えながら、投資先として検討してみてはいかがでしょうか。