高配当株に注目する投資家にとって、安定した配当と今後の成長性は重要な判断材料です。今回は、利回りが5%を超える「アルマード」と「クレハ」について、業績や株価、直近5年間の配当推移、権利確定日など、投資するにあたって特に知っておきたい情報についてご紹介します。
アルマード(4932)
アルマードは、卵殻膜と呼ばれる鶏の卵の殻にある内側の薄い膜を活用した化粧品やサプリメントを開発・販売する企業です。卵殻膜には、若返り効果などの美容や肝機能・腸内環境改善などが期待できるとされています。
2025年度の売上高は約85億円、経常利益は約9億円でした。2026年度は売上高が約100億円、経常利益は約10億円の予想です。どちらもやや増収・増益となる見込みではあるものの、近年の業績はほぼ横ばいとなっています。
アルマードの株価
2025年8月時点の株価は約1200円です。2021年に上場したばかりの銘柄で、上場当初は約400円から約1700円まで大きな株価変動がありました。2023年頃から徐々に落ち着き、小さな株価変動を繰り返す、ゆるやかな変動の傾向が見られます。
株主優待の権利確定日はいつ?
アルマードの株主優待は、毎年9月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株主専用カタログが贈呈されます。カタログは毎年12月頃に送付され、掲載商品は、定価の20%から40%割引で購入可能です。
アルマードの配当金と利回り
2026年度の配当金は、3月末の期末配当にて、年間1株当たり65円が配当される予想です。この金額は、昨年度と同じ金額を維持しています。
1株1200円で100株購入した場合、投資金額は12万円になります。配当金額は6500円となるため、配当利回りは約5.4%です。
直近5年間の配当推移と利回り推移
アルマードの2022年度以降の配当推移は、2022年度が40円、2023年度が65円、2024年度が70円、2025年度と2026年度が65円となっています。また、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2022年度と2023年度は約5.4%、2024年度は約5.3%、2025年度は5.5%でした。
配当方針は、総還元性向75%以上、ROE50%以上の維持を目標に掲げています。利益が出れば積極的に株主還元しており、2024年度は基本配当65円に、余剰金の特別配当5円が追加配当されています。また、2022年度の配当性向は約70%でしたが、2023年度以降の配当性向は90%以上です。
クレハ(4023)
クレハは、主にエンジニアリング・プラスチックや炭素製品などを取り扱う「機能製品事業」、医薬品や農薬に関する「化学製品事業」、クレラップなどの食品包装技術を用いた「樹脂製品事業」の3つの事業を行う企業です。その他、建設関連や物流、商社、産業廃棄物処理など、様々な事業を展開しています。
2025年度の売上高は約1620億円、経常利益は約102億円でした。2026年度は売上高が約1650億円、経常利益は約140億円の予想です。2024年以降、減収・減益傾向にあった業績は、今年度は回復する見込みとなっています。
クレハの株価
2025年8月時点の株価は約3500円です。2018年に約2800円だった株価が、2020年には約1300円まで下落し、2022年には約3600円まで上昇するなど、比較的株価変動が大きい傾向にあります。
2023年から2024年にかけては、小さな変動は頻発していたものの、約2800円前後をほぼ横ばいで推移していましたが、2025年5月以降は右肩上がりが続いています。
株主優待は未実施
クレハは、現時点で株主優待制度を実施していません。配当による株主還元に力を入れているため、現時点では株主優待制度の導入は期待できません。
クレハの配当金と利回り
2026年度の配当金は、9月末の中間配当で109.5円、3月末の期末配当で109.5円の、年間1株当たり219円となる予想です。この金額は、2024年度から2期連続で増配しています。
1株3500円で100株購入した場合、投資金額は35万円になります。配当金額は21900円となるため、配当利回りは約6.3%です。
直近5年間の配当推移と利回り推移
クレハの2022年度以降の配当推移は、2022年度が69.99円、2023年度が89.99円、2024年度が86.67円、2025年度は86.7円、2026年度は219円となっています。また、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2022年度は約2.7%、2023年度は約2.9%、2024年度と2025年度は約3.1%でした。
2026年度の配当方針は、総還元性向50%以上、DOE5%を掲げており、この方針が発表されて以降、株価の上昇が続いています。実際に、2022年度と2023年度の配当性向は約30%前後でしたが、2024年度以降の配当性向は50%以上です。
まとめ
今回はアルマードとクレハについてご紹介しました。
アルマードは毎年安定した高配当・高利回りが続いており、クレハは配当方針の変更により株価と利回りが大幅上昇しています。この記事が、投資先として検討するきっかけとなれば幸いです。