香港大引け:3日ぶり反落、21000ポイントに接近 不動産株に売り

週明け11日の香港株式市場で、ハンセン指数は3営業日ぶりに反落。前場終値は前営業日比2.77%安の21124.20ポイントだった。中国企業指数は3.06%安の7320.91ポイント。メインボードの売買代金は概算で1194億6000万HKドル。


ハンセン指数は1%超安で寄り付き、しだいに下げ幅を拡大。6月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が大幅な利上げを続けやすくなったとの見方が強まり、ほぼ全面安の展開となった。中国が「ゼロコロナ」政策の下で行動制限などの防疫対策を厳格にすれば景気が後退するとの懸念から中国本土相場が下落し、香港市場でも幅広いセクターに売りが波及した。後場は心理的節目の21000ポイントをわずかに上回る水準で推移。大引けにかけてやや値を戻したものの、終値は6月22日以来ほぼ3週間ぶりの安値だった。


ハンセン指数構成銘柄では、不動産株の碧桂園服務(06098)と碧桂園(02007)、龍湖集団(00960)の下げがきつい。カジノ株の銀河娯楽(00027)とサンズ・チャイナ(01928)も大幅安。マカオ政府がカジノを含む商工業の営業をきょうから1週間停止させ、嫌気した売りが出た。ネット株の美団(03690)、アリババ集団(09988)、JDドットコム(09618)、スポーツ用品の安踏体育用品(02020)と李寧(02331)の下落も目立った。一方、医薬品株の中国生物製薬(01177)や通信株のチャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・ユニコム(00762)が逆行高。


ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は3.86%安の4622.92ポイントと大幅に反落した。不動産業向けソフトウエア開発の明源雲集団(00909)が17.05%安。シティグループによる投資判断引き下げが嫌気されたもよう。動画配信のビリビリ(09626)、データセンターの万国数拠(09698)も急落した。構成30銘柄のうち上昇は海爾智家(06690)だけだった

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

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