【おすすめポートフォリオ】では、おすすめの銘柄の組み合わせ(ポートフォリオ)の構築例をご紹介します。
今回は「予算100万円以内・3銘柄・ディフェンシブ」でポートフォリオを構築します。海外において金融システム不安が台頭するなどマーケットは先行き不透明感が高まっています。そのような市場環境ではディフェンシブ銘柄に資金をシフトする動きが出やすいと考えられますので、今回は「ディフェンシブ」をテーマとしました。
ポートフォリオの構築においては、業種が偏らないようにして、多少なりとも分散投資の効果が発現されることを狙います。大儲けはできないかもしれませんが、安定した収益をめざします。
スクリーニングで抽出
銘柄を選びには、トレーダーズウェブの銘柄スクリーニングを活用します。なお、銘柄スクリーニングの使い方については【いまから銘柄選び】第2回「スクリーニングに挑戦しよう~配当利回り編~」など【いまから銘柄選び】スクリーニングに挑戦しようシリーズを参考にしてください。
設定項目
今回は以下の4つの項目を設定します。
09:β「0.5以下」
01:市場「東証プライム」
28:時価総額 「1000億円以上」
29:PER「15倍以下」
β
ディフェンシブかどうかについては、まず「β」によって判断します。ここでのβは1より大きければTOPIXよりもリスクが高く、 1より小さければTOPIXよりもリスクが低いと考えることができます。
今回「09:β」は0.5以下に設定します。これはTOPIXが10%下落したとしても5%以下の下落で済む可能性が高い銘柄を選ぶということになります。
市場
次に、「01:市場」を設定します。上記のβはTOPIXを基準に算出されていますので、東証プライムのみを対象としています。構成銘柄が近い市場を選んだほうが、βの信頼性が高くなります。
時価総額
中小型株は値動きが大きくなりやすい傾向がありますのでディフェンシブ銘柄としては選びづらいといえます。そこで時価総額1000億円以上として中小型株を排除します。
PER
PERが高いということはグロースの性質が強いとも考えられます。ディフェンシブ銘柄を選ぶ場合は、グロースよりもバリューの性質が好ましいといえますので、今回はPER15倍以下と設定し、グロース株を排除します。
抽出結果
2023年3月16日の終値などを使用し抽出した結果、以下の27銘柄が抽出されました。
選んだのはこの3銘柄
今回の抽出結果から以下の3銘柄を選択してみました。
・キリンホールディングス(2503):食料品
株価2064円(2023年3月16日終値)
23.12期の会社予想は、売上収益2兆1150億円(前期比6.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1130億円(前期比1.8%増)と、増収増益となっています。キリンビールやキリンビバレッジについては、価格改定により、コスト高に対応するとしており、今後も安定した業績推移が期待されます。
・西武ホールディングス(9024):陸運業
株価1289円(2023年3月16日終値)
2月9日に23.3期の営業利益予想を従来の130億円から170億円に引き上げました。全国旅行支援やインバウンドの想定を上回る回復に加え、為替レートが想定より円安に推移したことなどが寄与するとしています。外国人観光客も増加傾向ですし、今後もコロナ禍からの回復が見込まれます。
・NTT(9432):情報・通信業
株価4007円(2023年3月16日終値)
ディフェンシブといえばこの銘柄は外せないといってもよいでしょう。3月16日には同社傘下のNTTドコモが眼鏡型の仮想現実(VR)端末を開発することが報じられました。こちらの進展も楽しみです。また、配当利回りが3%程度あることもうれしいですね。
最後に
今回は、キリンHD、西武HD、NTTの3銘柄でポートフォリオを構築してみました。100株ずつ購入した場合の総額は74万円弱となります。
スクリーニング結果には、この3銘柄以外にも定番のディフェンシブ銘柄といえるJT(2914)や、しまむら(8227)などの銘柄が抽出されています。
市場が荒れ模様のときは、現金化も有効な手段ですが、投資のチャンスを逃す可能性もあります。ディフェンシブ株への資金移動も手段として検討していただければと思います。