【おすすめポートフォリオ】では、おすすめの銘柄の組み合わせ(ポートフォリオ)の構築例をご紹介します。
2023年3月31日に東京証券取引所は、PBRが1倍を下回る上場企業などに、株価水準を引き上げるための具体策を開示・実行するよう要請しました。
今回は、手軽に投資でき、PBR1倍割れ是正の動きが期待できる銘柄でポートフォリオを構築します。具体的には、「10万円で購入できる低PBR銘柄」を5銘柄選びます。
なお、ポートフォリオの構築においては、業種が偏らないようにして、多少なりとも分散投資の効果が発現されることを狙います。大儲けはできないかもしれませんが、安定した収益をめざします。
スクリーニングで抽出
銘柄を選びには、トレーダーズウェブの銘柄スクリーニングを活用します。なお、銘柄スクリーニングの使い方については【いまから銘柄選び】第2回「スクリーニングに挑戦しよう~配当利回り編~」など【いまから銘柄選び】スクリーニングに挑戦しようシリーズを参考にしてください。
定番スクリーニング「10万円以下」をアレンジ
トレーダーズウェブの銘柄スクリーニングには、定番スクリーニングという検索条件を簡単に設定できる機能があります。今回は定番スクリーニング「10万円以下」を土台として、スクリーニングを実施していきます。
定番スクリーニング「10万円以下」の設定項目は、
01:市場「東証プライム、東証スタンダード、東証グロース」
03:終値「1000円以下」
35:売上高成長率「10%以上」
36:経常増益率「10%以上」
です。今回はPBRを追加します。また、市場については東証プライムのみを対象とし、35:売上高成長率については項目から削除します。まとめると以下となります。
01:市場「東証プライム」
03:終値「1000円以下」
30:PBR「0.7倍以下」
36:経常増益率「10%以上」
抽出結果
2023年4月13日の終値などを使用し抽出した結果、43銘柄が抽出されました。以下は抽出された銘柄をPBRの低い順に並べたものです。
選んだのはこの5銘柄
・清水建設(1803):建設業
株価773円(2023年4月13日終値)
建設業からは最大手ゼネコンの一角である清水建設を選びました。23.3期通期の連結営業利益予想は715億円(前期比58%増)と大幅な増益を見込んでいます。24.3期通期の市場コンセンサスの営業利益予想は766億円となっており、増益が続くことが期待されます。
・東リ(7971):化学
株価269円(2023年4月13日終値)
化学からは内装材のトップメーカーである東リを選びました。2023年2月に23.3期通期の連結営業利益予想を上方修正しています。プロダクト事業の販売量が堅調に推移したことなどが要因とのことです。来期のさらなる業績拡大に期待です。
・野村ホールディングス(8604):証券商品先物
株価500.3円(2023年4月13日終値)
証券商品先物からは証券国内最大手である野村HDを選びました。23.3期3Q累計の連結純利益は854億円(前年同期比23.8%減)と減益での着地となりました。ただ、2025年3月末までに国内の営業部門で200億円程度の経費削減に乗り出す方針であることが報じられています。来期以降の回復に期待します。
・住友理工(5191):ゴム製品
株価668円(2023年4月13日終値)
ゴム製品からは自動車用防振ゴム大手の住友理工を選びました。2023年2月に23.3期通期の連結営業利益予想を上方修正しています。原材料価格高騰分の一部を売価に反映したことや、経費支出の抑制などを踏まえたとのことです。利益の出やすい体質になっていると考えられますので、来期以降の業績拡大が期待されます。
・東急不動産ホールディングス<3289.T>:不動産業
株価648円(2023年4月13日終値)
不動産業からは東急系の総合不動産大手である東急不動産HDを選びました。23.3期3Q累計の連結純利益は309億円(前年同期比9.4%増)と増益での着地となりました。住宅市場の底堅い需要による分譲マンションや売買仲介の好調、観光需要回復に伴うホテル事業の一定回復などが寄与したとのことです。
外国人観光客は増加していますので、ホテル事業のさらなる回復が全体の業績拡大につながると期待します。
最後に
今回のスクリーニングでは、上記の5銘柄以外にも電気機器のJVCケンウッド(6632)、繊維製品のオンワードホールディングス(8016)、電気・ガス業の広島ガス(9535)、銀行業の九州フィナンシャルグループ(7180)など幅広い業種から抽出されています。
選択肢は多いですので、PBR1倍割れ是正の動きに期待し、早めに仕込んでおいてもよいと考えます。