おすすめポートフォリオ

第4回「10万円以下で5銘柄」

【おすすめポートフォリオ】では、おすすめの銘柄の組み合わせ(ポートフォリオ)の構築例をご紹介します。今回は10万円以下で購入できる銘柄群から5銘柄を選びます。


ポートフォリオの構築においては、業種が偏らないようにして、多少なりとも分散投資の効果が発現されることを狙います。大儲けはできないかもしれませんが、安定した収益をめざします。



スクリーニングで抽出

銘柄を選びには、トレーダーズウェブの銘柄スクリーニングを活用します。なお、銘柄スクリーニングの使い方については【いまから銘柄選び】第2回「スクリーニングに挑戦しよう~配当利回り編~」など【いまから銘柄選び】スクリーニングに挑戦しようシリーズを参考にしてください。



定番スクリーニング「10万円以下」

トレーダーズウェブの銘柄スクリーニングには、定番スクリーニングという検索条件を簡単に設定できる機能があります。今回は定番スクリーニング「10万円以下」を土台として、スクリーニングを実施していきます。


定番スクリーニング「10万円以下」の設定項目は、


01:市場「東証プライム」「東証スタンダード」「東証スタンダード」

03:終値 1000円以下

35:売上高成長率 10%以上

36:経常増益率 10%以上


となります。このスクリーニングでは10万円以下(株価1000円以下で100株購入が前提)を最重要項目とし、さらに増収・増益が見込まれているものを抽出します。



抽出結果

2023年2月22日の終値などを使用し抽出した結果、212銘柄が抽出されました。この中から選んでもよいですが、かなり数が多いですね。もう少し減らすため、


01:市場「東証プライム」「東証スタンダード」「東証スタンダード」を

01:市場「東証プライム」


03:終値 1000円以下

03:終値 400円以上1000円以下


に変更し再度スクリーニングを行います。この結果、68銘柄まで数を減らすことができました。以下は抽出された68銘柄を終値の高い順に並べたものです。




選んだのはこの5銘柄

今回の抽出結果から以下の5銘柄を選択してみました。


・ラウンドワン(4680):サービス業

株価486円(2023年2月22日終値)

23.3期通期はコロナ禍からの回復により、大幅な増収増益を見込んでいます。23.3期第3四半期末の店舗数は国内99店舗、米国48店舗。米国の店舗数の多さに驚く人もいるでしょう。レジャー需要拡大などの追い風もあり、米国の利益貢献に期待します。


・日産自動車(7201):輸送用機器

株価520円(2023年2月22日終値)

2月6日に同社およびルノーグループ、三菱自動車の3社は 、アライアンスをより高いレベルに引き上げることをめざした、新たな取り組みを発表しました。今期の小売販売台数は前期比で12%減少する見込みですが、新たなアライアンス効果もあり、来期以降の台数回復に期待します。


・EMシステムズ<4820.T>:情報・通信業

株価890円(2023年2月22日終値)

調剤薬局向けシステムの大手。23.12期は、「共通情報システム基盤」MAPsシリーズを通じて、医療・介護/福祉従業者をよりいっそう支援するとし、増収増益を見込んでいます。21.12期、22.12期も増収増益でした。今後も安定した成長が続くと期待します。


・サツドラホールディングス(3544):小売業

株価831円(2023年2月22日終値)

北海道地盤のドラッグストア。23.5期上期(5月16日-11月16日)の連結営業利益は3.3億円(前年同期比26%増)でした。感冒薬や化粧品の需要が徐々に持ち直したことなどが寄与したとのことです。

訪日外国人は増加傾向ですが、中国からの旅行者の回復はまだまだです。逆に言えば、中国人旅行者が増加してくれば見直される可能性があります。来期に期待したいと思います。


・新田ゼラチン(4977):化学

株価817円(2023年2月22日終値)

ゼラチンで日本一。2月13日に発表した23.3期3Q累計の営業利益は20.5億円(前年同期比2倍)と好調な着地となりました。フードソリューションにおいて、日本および北米地域で販売が引き続き好調であったことや、ヘルスサポートにおいて、カプセル用ゼラチンおよびコラーゲンペプチドの販売が伸長したことが寄与しました。PBRは0.7倍程度と1倍を下回っており、業績好調なバリュー株として注目します。



最後に

今回は、ラウンドワン、日産自動車、EMシステムズ、サツドラホールディングス、新田ゼラチンの5銘柄でポートフォリオを構築してみました。100株ずつ購入した場合、合計金額は35万円程度となります。

スクリーニング結果にはこの5銘柄以外にも、自治体、医師会、介護サービス事業者向けクラウドサービスを収益柱とするカナミックネットワーク(3939)、ゲームなどのデバッグ(不具合検出、調整)・検証、ネット監視が主力のポールトゥウィンホールディングス(3657)、「カラオケまねきねこ」を直営展開するコシダカホールディングス(2157)など面白そうな銘柄が抽出されています。

抽出結果は日々変動します。ご自身でスクリーニングを実行し、銘柄選びにもぜひチャレンジしてみてください。


日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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