株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、東証プライムに上場する銘柄から、「時価総額:5000億円以上」、 「売上高成長率:10%以上」、「 経常増益率:5%以上」、「配当利回り3%以上」という条件で抽出し、そのなかから3社を紹介します。
時価総額の大きい増収増益の銘柄であり、大型優良株といえます。さらに配当利回りも条件に加え、インカムゲインも狙います。なお、各種指標は2025年1月30日時点のものとなります。
野村ホールディングス(8604)
証券国内最大手の野村ホールディングスですが、今期(25.3期)は好調な業績推移となっています。2024年11月1日に発表した25.3期上期(4-9月)の連結最終利益は1673億円(前年同期比2.9倍)と大幅増益で着地。主要3部門(ウェルス・マネジメント部門、インベストメント・マネジメント部門、ホールセール部門)すべてで収益を伸ばしたことが寄与しました。
上記の決算を受けて株価は水準訂正の動きとなりました。直近は2025年2月5日を予定する25.3期3Q累計の決算発表に向けて一段高となっており、1000円を付ける場面もみられています。
PERは16倍程度、PBRは0.9倍程度、配当利回りは3.9%程度となっています。証券国内最大手という安心感もありますので長期で保有したい銘柄と考えます。
【野村HDの日足チャート2024/10/25~2025/1/29】
旭化成(3407)
総合化学の旭化成ですが、今期(25.3期)は好調な業績推移となっています。2024年11月1日12時30分に発表した25.3期上期(4-9月)の連結営業利益は1089億円(前年同期比94.9%増)と大幅増益で着地。マテリアルセグメントが、半導体・電子機器関連市場の好調な需要に伴う拡販や原燃料コストを踏まえた適正なプライシングなどにより大幅に改善したことなどが寄与しました。
上記の決算に併せて、25.3期通期の連結営業利益予想を従来の1800億円から1950億円(前期比38.5%増)に上方修正も発表。これらの発表を受けて株価は大きく上昇しました。ただ、勢いは続かずその後は軟調な展開となっており、足元は上期の決算発表前の水準まで戻しています。
PERは13倍程度、PBRは0.8倍程度、配当利回りは3.4%程度となっています。来期(26.3期)の市場コンセンサス(アナリスト予想の平均)においても増収増益が見込まれており、安定した業績推移が期待されます。なお、2025年2月5日に25.3期3Q累計の決算発表を予定していますので、長期保有を前提とするのであれば、購入は結果を確認してからでも遅くないと考えます。
【旭化成の日足チャート2024/10/25~2025/1/29】
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
傘下に三井住友銀、SMBC日興証券などを有する金融グループの三井住友FGですが、今期(25.3期)は好調な業績推移となっています。2025年1月30日に発表した25.3期3Q累計(4-12月)の連結純利益は1兆1360億円(前年同期比43.3%増)と大幅増益で着地。国内ビジネスが増益をけん引したほか、株式等損益の上振れも寄与しました。
2025年1月24日には、日本銀行が無担保コールレート(短期金利)を0.5%程度(従来は0.25%程度)へ引き上げました。同日の植田日銀総裁の記者会見で、日銀の分析例として中立金利は名目では1.0~2.5%くらいの間で分布しているとの説明があったことから、さらなる利上げもあるとみられています。
PERは13倍程度、PBRは1.0倍程度、配当利回りは3.1%程度となっています。三井住友FGの株価ですが、週足でみると2022年から上昇トレンドが継続中です。さらなる利上げによる収益拡大に期待してみるのも面白いと考えます。
【三井住友FGの週足チャート2022/6/10~2025/1/24】
最後に
今回は大型優良で配当利回りも悪くない3社を紹介しました。短期ではなく中長期で保有したい銘柄であると考えますので、NISA口座で買い付ける銘柄としても選択肢に入ってくると考えます。