株に投資したいと思ってもたくさんの会社があります。トヨタやソニーといった日本を代表するような会社の株(銘柄)を買ってもよいですし、普段利用している飲食店やスーパー、ドラッグストアの株を買うのもよいでしょう。ただ、株の値動きは銘柄によって異なります。今回は価格変動の観点から初心者が避けるべき株の選別方法をご紹介します。
値動きの大きさに注目
株に100万円投資したとしましょう。昨日は値上がりして110万円になりましたが、今日は値下がりして90万円になりました。どうでしょう?冷静に過ごせる自信はありますか?これだけ値動きが大きいと、気になってしまい他のことに集中できなくなるという人も多いのではないでしょうか。
このような価格変動の大きな銘柄をできるだけ避けるためには、時価総額(株価×発行済み株式総数)が大きく、かつ売買が活発な銘柄を選ぶことが基本となります。このような銘柄が多く上場しているのが東京証券取引所のプライム市場です。
東京証券取引所は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3市場に区分されており、プライム市場は最上位の市場となります。トヨタやソニーといった会社はプライム市場に上場しています。
一方で、グロース市場は比較的規模の小さいベンチャー企業などが参加する市場であり、値動きの大きい銘柄が多くなります。
まずは上場している市場で判断するのが効果的かつ簡単です。しかし、実際にはプライム市場でも値動きの大きい銘柄はあります。また、たまたまその時期に値動きが大きくなってしまっている銘柄も含まれます。そのような銘柄を避けるために、次は個別株の価格変動の大きさを知る方法をみていきます。
個別株の価格変動の大きさを知る
個別株の価格変動の大きさを知るには、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)をみることが有効です。ヒストリカルは過去の、ボラティリティは価格の変動率という意味ですので、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)は「過去の価格の変動率」となります。
HVの見方は簡単です。HVが大きければ価格変動が大きい(リスクが高い)、小さければ価格変動が小さい(リスクが低い)と判断してください。
ここでは過去20日の価格変動から算出したHV20日をみていきます。以下は、プライム市場に上場する会社のHV20日のデータです。
2022年7月7日時点のグロース市場に上場する会社のHV20日の平均(算出可能な銘柄のみ対象)は52.91でしたので、上記のメルカリや東京電力HDはプライム市場の上場銘柄でも価格の変動が大きいので注意が必要と判断できます。
なお、個別銘柄のHV20日はトレーダーズ・ウェブの個別銘柄のテクニカルで確認することができます。以下、ソニーグループのページです。
株に投資しようと思ったらHV20日を確認するようにしてください。グロース市場にはHV20日が100以上の会社が多くあります。もちろん大儲けできる可能性はありますが、初心者だと売り時を逃し大損してしまう可能性のほうが高いと思われます。まずはHV20日が40以下のプライム市場の銘柄から投資先を見つけることをお勧めします。
最後に
ボラティリティは株価の変動の大きさですので、株価が上昇しているか、下落しているかを判断することはできません。そこはチャートをみるなど追加の分析が必要です。どちらにしろ、ボラティリティの高い銘柄に投資するならば、知識を深めてからがよいでしょう。まずは、HV20日で値動きが大きく、大損してしまう可能性が高い銘柄を避けることを心がけてください。