「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回はロボアドバイザーを活用した全自動の資産運用サービスを提供するウェルスナビ(7342)をみていきます。
同社サイトには「どの金融商品に、どれくらい投資するか考える必要はありません。5つの質問に答えるだけでそれぞれのお客様に、最適な資産の配分を自動で構築します。」とあり、手軽に全自動の資産運用サービスが始められるようです。なお、手数料は預かり資産の1%(年率)となっています。
では、上場からの株価の流れをみていきます。
ウェルスナビの株価推移(上場から1年)
2020年12月22日に上場した同社の初値は、公開価格(1150円)のちょうど1.5倍となる1725円でした。その後も株価は好調な推移となり、2021年4月に4710円まで上昇。いったん調整が入ったものの、2021年5月に4740円まで上昇し、これが上場来高値となっています。
その後4000円前後の推移が続いていましたが、2021年9月から水準を徐々に切り下げる展開となりました。とくに12月に下げがきつく株価は一時2000円を下回りました。
この株価急落は、海外募集による新株式発行および海外売り出し行ったことが要因と考えられます。新株式の発行数は94万株、売り出しは200万株であり、需給悪化が株価下落につながったと想定されます。
【ウェルスナビの週足チャート(2020年12月~2021年12月)】
ウェルスナビの株価推移(直近1年)
2022年前半は、「1300~1400円まで下落するとそこでいったん底を打ち反転する」という流れが続きました。4月に2859円まで上昇する局面がありましたが、一時的な動きにとどまりその後はまた売りに押されています。
2022年後半は軟調な展開となり、10月に上場来安値1231円をつけました。公開価格(1150円)は下回っていませんが、ぎりぎりですね。この株価下落は、SBIホールディングス(8473)傘下のSBI証券およびSBIネオモバイル証券との業務提携解消が要因と考えられます。
その後はやや切り返しの動きとなり、足元の株価は1400円程度で推移しています。
【ウェルスナビの週足チャート(2022年1月~2023年1月)】
最後に
同社のロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の預かり資産は、上場直後の2021年1月4日に3300億円を突破。その後も順調に増加し、9月13日時点で7500億円を突破しています。
最近の増加ペースは、2022年3月25日時点で預かり資産6500億円突破、同年6月9日時点で7000億円突破、同年9月13日時点で7500億円突破と、3カ月程度で500億円増加しています。
ただ、預かり資産8000億円を突破したというアナウンスは2023年1月27日時点では出ていないようです。SBI証券およびSBIネオモバイル証券との業務提携解消により、この2社を経由した新規の顧客獲得は2022年11月4日以降、見込めなくなっているとの発表が出ていることから、その影響が懸念されます。
預かり資産の増加ペースが今後加速するか、それとも鈍化するか、今後の株価に与える影響は大きいと考えます。同社株に投資するとしても、次回の預かり資産に関する発表を待つべきでしょう。業務提携解消の影響で預かり資産の増加ペースが大幅に鈍化しているようなら、要注意です。その場合、株価が公開価格(1150円)を下回る可能性があると考えます。