株式投資を行いたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、大幅経常増益なのに低PERとなっている銘柄をスクリーニングし、その結果を紹介します。
項目設定
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを利用します。このページには37の項目があります。
今回のスクリーニングでは、「28:時価総額」、「29:PER」、「36:経常増益率」の3つの条件を設定します。では設定を紹介します。
「28:時価総額」は500億円以上とします。
これは、一定以上の規模の会社を抽出するための条件設定となります。
「29:PER」は10倍以下とします。
これは、PERの低い銘柄を抽出するための条件設定となります。
「36:経常増益率」は50%以上します。
これは、経常利益が大きく伸びている銘柄を抽出するための条件設定となります。
このスクリーニングの結果、2024/1/24更新時点では30銘柄が抽出されました。以下はスクリーニング結果を経常増益率の高い順に並べたものです。
では抽出された銘柄をいくつかみてみます。
1位はセメント首位の太平洋セメント(5233)でした。同社については、前期(23.3期)はセメントの輸出数量の減少やセメント製造用石炭価格の高止まりなどによる厳しいコスト状況が続いたことで、大幅な経常減益となりました。
今期(24.3期)は、原燃料をはじめとする各種コストの上昇に応じたセメント販売価格の適正化を引き続き実行することなどにより、業績のV字回復を見込んでいます。なお、24.3期上期の経常損益は201.2億円の黒字(前年同期は0.8億円の赤字)と好調な着地となり、併せて通期の経常利益予想を上方修正しています。
5位のフォークリフト大手の三菱ロジスネクスト(7105)は、2023年11月6日に24.3期上期の経常利益は210.6億円(前年同期比23.2倍)だったと発表しました。併せて通期の経常利益予想を230.0億円から360.0億円(前期比3.1倍)に引き上げています。価格適正化の効果の刈り取り促進、為替レートが想定以上の円安水準で推移したことなどが寄与するとのことです。
12位は印刷インキ3位のサカタインクス(4633)。同社については、22.12期は原油価格の高騰などによる印刷インキの原材料高が長期化していることなどにより、大幅な経常減益となりました。
23.12期の会社予想の経常利益は121.0億円(前の期比2.4倍)となっています。2023年11月10日に発表した23.12期3Q累計の経常利益は101.2億円(前の期比2.7倍)でしたので、進ちょくは順調です。増益の要因は、販売価格の改定効果やインキコストの削減により収益性の改善が続いたことなどとしています
最後に
今回は新NISAの投資対象として狙いたい「大幅経常増益なのに低PER銘柄」をスクリーニングしてみました。2024年は年始から日経平均株価の上昇が続いたこともあり、このタイミングでの株式投資は難しいと考えている人も多いと思います。
ただ、上昇をけん引した半導体株などはともかく、上値が狙える銘柄はまだまだあると考えます。このスクリーニングを活用して、投資対象を探してみてください。