いまから米国株

米国株・ETFのリスクとは?現役投資家がレバレッジETFの注意点を解説

米国株には1株から購入できる、GAFA・スターバックス・ウォルト・ディズニーなど世界の有名企業の株を保有できるなどのメリットがあります。さらに米国ETFは少額から購入でき、ファンドを通して複数の企業に分散した投資が可能となります。


一方で米国株・ETFは日本株と比べて、為替相場変動の影響を受ける、値幅制限が無いなどの理由でリスクが高いと言われています。本記事では米国株・ETFのリスク6つと筆者の体験談をお伝えしていきます。


米国株・ETFのリスク6つ


  1. 為替リスク
  2. 価格変動リスク
  3. カントリーリスク
  4. 流動性リスク
  5. ETF:市場価格と連動しないことがある
  6. ETF:長期保有でコストが上がってしまう


為替リスク

為替リスクとは、円とドルの為替レート変動に伴うリスクを指します。

2022年3月辺りから円安が進んでおり2022年1月3日の終値は115.29円でしたが、11月8日の終値は145.55円です。例えば100万円を1月3日ドルに替え、11月8日に円に両替した場合1257696.65円となり約25万円の為替差益が得られます。


逆に円をドルに替えてから円高が進むと、為替差損が生じてしまいます。


価格変動リスク

価格変動リスクは相場の価格が変動するリスクで、購入後に評価額が下がると含み損となってしまいます。

米国市場には日本のように「値幅制限」がありません。値幅制限は1日の値動きの幅を制限するもので1日に数十%下落することもあります。


ETFにも投資信託のようにインデックスファンド(特定の指標と連動した動きを目指すもの)とアクティブファンド(プロの投資家がインデックスファンド以上の利益を目指す)があります。レバレッジ(数倍の値動きを目指す)がかかったファンドもあり、アクティブファンドやレバレッジファンドは価格変動が激しく高リスク・高リターンの商品です。


一方で、インデックスファンドは信託報酬が低く低リスク低リターンの商品が多いと言われています。


なお筆者は以前ARK Investment社の運用するアクティブファンド「ARKK(アークイノベーションETF)」を保有していました。

ARKKはテスラやZoomなど破壊的なイノベーションを起こす企業で構成されたファンドです。高リスク・高リターンで、利上げによる値下がりが激しく10万円程損切りしました。


カントリーリスク

米国の政治・経済などが不安定となり、株価が値下がりするリスクです。例えば昨年ロシアがウクライナに侵攻した際に、ロシア通貨ルーブルが大暴落した現象が「カントリーリスク」と言えるでしょう。


投資対象国のリスクが気になる人は国債の「格付け」をチェックしてみましょう。債券の「格付け」はもっとも信用度が高いものはAAAで、AA・A・BBB・BB・B・CCC・CC・Cの順番で信用度が低くなります。


BBB以上の格付けを信用度が比較的良好で、BB以下は信用度が低いとされています。格付けは民間の会社が行うもので、会社によって評価が異なりますので指標として捉えておきましょう。


米国は世界第1位のGDP、生産年齢人口が20年間減らないという見通しなどから筆者はカントリーリスクが低いと予測しています。(「現役投資家が解説!米国株・ETFに投資する理由3つとは?長期の見通しも」参照)


なお2022年10月31日時点で米国はA~AAAの間で格付けされており、日本はAA+と評価されています。


流動性リスク

流動性の低い株式・ETFを保有することで、売却して現金化するまでに時間がかかるリスクが生じます。

出来高が多い株式・ETFを購入・保有することで流動性リスクをおさえることが可能です。


ETF:市場価格と連動しないことがある

特定の指標と連動するインデックスファンドは、さまざまな理由から指標と連動しないリスクがあります。例えばファンドの組み入れ比率や組み入れ額が指数と連動しない、売買・運用コストが差し引かれるなどの原因があります。


ETFを購入する前に信託報酬・売買のコスト、過去のチャートと指数の動きをチェックしておきましょう。


ETF:長期保有でコストが上がってしまう

ETF・投資信託には運用コストとして信託報酬がかかります。特にレバレッジETFは、数倍の値動きがあり信託報酬も高めに設定されています。短期で高いリターンを狙う人が購入する商品で、筆者も3倍のレバレッジがかかったETFを保有しています。


長期でレバレッジETFを保有すると、含み益を確認して売っても「○倍と謳っているのに○倍になっていない」という事態が起こります。信託報酬と売買コストが差し引かれているからです。


昨年、NASDAQ100指数にレバレッジをかけた「レバナス」の人気が上昇しました。現在保有している人もいらっしゃるのではないでしょうか。


iFreeレバレッジNASDAQ100」は信託報酬が年率0.99%、「楽天レバレッジNASDAQ-100」は年率0.77%です。ともに2倍の値動きを目指していますが、購入時の2倍の価額で売却しても利益が2倍になるわけではありません。売買のコストは株・ETF全般に課されます。ETF・レバレッジETFを保有している人は保有コストにも注意しましょう。


まとめ

米国株・ETFには上記のようなリスクがあり「始めるのが怖い」というかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、日本株より高いリターンを見込むことができます。

リスクを踏まえ、対策を講じた上で投資を検討しましょう。


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ファイナンシャル・プランナー/ライター

田中 あさみ

大学在学中に2級FP技能士の資格を取得。会社員を経て独立し、金融・投資・相続・法律などの記事を執筆している。 自身でも米国株やETF・投資信託等を運用中。

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