ふるさと納税のはじめ方

ふるさと納税の控除を受けるには会社やパート先に報告が必要?手続きの方法と注意すべき条件

ふるさと納税のお得な制度を活用するためには、税金を控除してもらうために申請手続きが必要であることはご存知でしょうか。控除申請のためには、原則確定申告をする必要があります。しかし、会社勤めをしていると、年末に会社が年末調整を行ってくれますよね?


ふるさと納税の控除申請をするためには、年末調整の際に会社に報告をする必要があるのかどうか、悩まれるかもしれません。そこで今回は、控除申請手続きの方法と、注意点について解説します。


会社に報告する必要はない

勤めている会社やパート先で年末調整をしてもらえる場合、扶養や保険料などの控除申請用紙を提出します。では、ふるさと納税の控除申請をする場合、会社に報告して申請書などを提出する必要はあるのでしょうか?


結論からお伝えすると、年末調整の際に会社やパート先に報告する必要はありません。そのため、会社で年末調整を行っている場合であっても、ふるさと納税の控除申請を、寄附者ご自身で手続きする必要があります。


年末調整で控除申請できない理由

ふるさと納税は1/1から12/31まで受け付けているため、寄附金額の合計が確定するのは翌年の1/1時点です。しかし、年末調整の控除申請用紙は、ほとんどの場合11月中には提出するので、年末調整には間に合わず対応できません。医療費控除の申請が年末調整ではなく確定申告でしか行えないのも、同じ理由です。


控除を受ける方法と条件

参照:総務省ホームページ

出所:著者作成


ふるさと納税の控除申請を行うと、寄附金額に関わらず自己負担金2000円以外の寄附金全額が税金から控除されます。しかし、家族構成や年収によって控除される寄附金額に上限が決まっており、上限金額を超えて寄附した分は自己負担になってしまうので、事前に上限金額を確認することが重要です。


控除申請の方法には①確定申告と②ワンストップ特例制度の2種類があります。ただし、ワンストップ特例制度で申請手続きできるのは、条件を全て満たしている人だけです。次の項目からはそれぞれの手続き方法や注意点についてご説明します。


必要な手続き方法①確定申告

ふるさと納税を行った翌年の確定申告期間に、税務署で手続きを行ってください。必要な書類は、寄附を受け付けたことを証明する受領書もしくは寄附金を振り込んだときの払込票の控えと、会社員の場合は源泉徴収票、そして還付金を受け取る口座番号の3つです。


申請書類は、国税庁のホームページからサイト上に情報を入力して作成する方法と、申請書をダウンロードして手書きする方法があります。


年末調整されていて、ふるさと納税の申請だけであれば、源泉徴収票を見ながらサイト上で作成する方法がおすすめです。操作が難しい場合は、税務署で相談すれば職員さんから教えてもらうことができますよ。

 

出所:著者作成


確定申告で申請するときの注意点

確定申告は、ふるさと納税した自治体ではなく、現在住んでいる地域の税務署で手続きしてください。申告期間は毎年2月中旬から3月中旬までの1か月間です。


ふるさと納税をすると寄附先の自治体から寄附したことを証明する受領書が届きます。紛失した場合は再発行を寄附先の自治体に依頼できますが、手元に届くまで時間がかかる場合があります。申告期間に間に合わないことにならないためにも、申請書類は大切に保管し、申告は早めに手続きするようにしましょう。


ちなみに、確定申告で手続きをすると、控除される金額の一部が現金で還ってくるので、還付金を受け取る口座が必要です。口座をもっていない場合は事前に作成しておくと手続きがスムーズに進みます。


必要な手続き方法②ワンストップ特例制度

ワンストップ特例制度は、ふるさと納税をしたいけど確定申告の申請手続きが面倒という理由で、ふるさと納税制度が敬遠されることのないように作られた新しい申請制度です。


ふるさと納税する度に、寄附先の自治体に申請書類と本人確認書類を提出します。確定申告の場合は、1年間に寄附した金額合計で一括申請できますが、ワンストップ特例制度は4回寄附したら4回とも申請が必要です。


かえって面倒なのでは?と思われるかもしれませんが、申請書に記載する内容は、名前と住所、電話番号、生年月日、マイナンバー、寄附金額だけなので、確定申告書を作成するよりもかなり簡単に手続きできます。

 

出所:著者作成


ワンストップ特例制度で申請するときの注意点

ワンストップ特例制度を利用するには、寄附先が5か所以内であることと、確定申告をしないことが条件です。どちらも満たしている場合は、翌年の1/10までに自治体に申請書を提出してください。


条件を満たさない場合は、例え全ての自治体に申請書類を提出していても、確定申告をする必要があります。また、ワンストップ特例制度で控除される税金は全額翌年の住民税から控除されるので、確定申告とは異なり還付金はありません。


まとめ

今回はふるさと納税の控除申請手続きの方法と注意点について解説しました。年末調整で対応することはできないので、会社やパート先へ報告は必要ありませんが、ご自身で確定申告もしくはワンストップ特例制度で手続きをしなければなりません。条件を満たしているのであれば、ワンストップ特例制度を利用するのが簡単でおすすめです。


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「いまから」 編集部

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