ふるさと納税とは、実質2000円の自己負担金だけで豪華な返礼品を受け取れて、さらに、所得税や住民税の控除も受けることができる制度です。上手く活用できればとてもお得ですが、条件や注意点を知らずにいると、かえって損をしてしまう場合があります。
そこで、ふるさと納税のメリット3点とデメリット2点を分かりやすくまとめてご紹介しますので、初めてふるさと納税をしたいと思った方はぜひともチェックしてください!
メリット①寄付金額が翌年の税金控除対象になる
参照:総務省ホームページ
出所:著者作成
そもそもふるさと納税とは、自治体にお金を「寄附」することによって、自己負担金2000円以外の寄附金額が税金から控除される制度のことです。例えば2万円分ふるさと納税した場合、そのうち1万8000円分が翌年の住民税もしくは所得税から差し引かれます。
寄附する時にまとまったお金を支払う必要がありますが、翌年は毎月支払う税金が安くなった分手取りのお給料が増えますし、最終的にかかる負担金額はたったの2000円です。
メリット②返礼品がもらえる
ふるさと納税をすると、寄附先の自治体から寄附のお礼として返礼品がもらえます。この返礼品が、ふるさと納税最大のメリットです。自治体は少しでも多くの人に寄附をしてもらいたいので寄附が多く集まるような魅力的な品を用意しています。
残念ながら2019年以降、返礼品として贈る品の金額は寄附金の3割以下と定められてしまいました。しかし、それでも1万円分ふるさと納税すれば最大3000円分の返礼品が送られることになります。自己負担2000円で3000円の商品をゲットできるので、普通に購入するよりも1000円分お得になるのです。
メリット③好きな地域に寄附できて使い道の指定もできる
総務省が指定するふるさと納税対象の地方団体であれば、寄附したい自治体を自由に選ぶことができます。条件が合わなくて寄附できなかったり、寄附先を勝手に指定されたりするようなことはありません。また、ふるさと納税するタイミングで、寄附金の使い道を指定することもできます。
例えば、災害のあった地域に対して、災害復興の気持ちを込めて寄附したものの、実際には災害復興のためには一切使われていなかったと知ったら、残念な気持ちになるのではないでしょうか。寄附者の想いと、寄附金の使われ方にすれ違いが生じないようになっているので、安心して寄附することができます。
デメリット①税金控除のためには申請が必要
メリット①でふるさと納税した金額は、翌年の税金から自己負担金2000円以外の全額が控除されるとお伝えしました。ふるさと納税する地域と税金を支払う今現在住んでいる地域は別の自治体になるので、住んでいる地域にふるさと納税をしたことを証明して控除申請をしなければ、寄附しただけで自動的に控除はしてくれません。
具体的な申請方法は、税金を支払う地域の税務署へ確定申告をして税金控除の申請手続きをする方法と、ワンストップ特例制度と呼ばれる、ふるさと納税するタイミングで寄附先の自治体に、寄附者の代わりに税金控除の申請手続きをしてもらうための申請書類を提出する方法があります。
デメリット②条件を守らないと自己負担に
ふるさと納税最大の特徴は、自己負担金は2000円だけでその他支払った寄附金額は全額控除されることです。しかし、ふるさと納税をして税金が控除されるにはいくつか条件があります。その条件を守らずふるさと納税してしまうと、自己負担金が2000円を越えたり、場合によっては寄附金額全額が自己負担になったりすることもあるので、条件をしっかり確認しておきましょう!
条件①会社員などの給与所得者が対象
全額控除されるお金はその場で返金されるのではなく、翌年の税金から差し引かれる仕組みです。そのため、専業主婦や学生など税金を支払っていない人がふるさと納税しても戻ってくるお金が発生しないので、寄附金額は全額自己負担になってしまいます。
また、税金を支払っている給与所得者が対象なので、納税者名や支払いのクレジットカードの名義など、ふるさと納税するときに使う情報すべてが給与所得者の名義であることが必要です。例えば、給与所得者の夫が専業主婦の妻名義のクレジットカードを使って支払いをしてしまうと、返礼品はもらえますが控除は受けられず全額自己負担になります。
条件②ふるさと納税対象地域が指定されている
総務省が指定するふるさと納税対象団体に寄附することが条件です。指定の自治体以外に寄附をしても、税金は全額控除されませんし返礼品ももらえません。ただし寄附者が給与所得者の場合、確定申告をして寄附したことを証明して申請すれば、全額ではありませんが寄附金の一部が税金から控除されます。
条件③税金が控除される上限金額がある
自己負担金以外の税金が全額控除される金額には上限があります。上限金額は所得や家族構成によって異なりますので、総務省のホームページもしくはふるさと納税サイトからシュミレーションをして確認しておくことが必要です。
例えば、寄附金の上限金額が2万円だった場合、上限金額を1万円超えた3万円分のふるさと納税をすると、上限金額2万円のうち1万8000円分は税金から控除されますが、自己負担金2000円の他に上限金額を超えた1万円の合わせて1万2000円が自己負担になってしまいます。
出所:著者作成
まとめ
ふるさと納税のメリットとデメリットをまとめてご紹介しました。デメリットだけをみると、申請手続きに手間がかかったり、条件から外れて自己負担額が増えてしまうことを心配したりと、初めてふるさと納税してみたいと思っても躊躇してしまうような内容だったかもしれません。
しかし、デメリットがあったとしても、税金控除や返礼品など、それを上回る魅力的なメリットが多くあります。メリットとデメリットをそれぞれ確認した上で、ぜひ一度ふるさと納税をしてみてはいかがでしょうか。