不動産投資をはじめるうえで欠かせないのが不動産。ただし、不動産には「投資用不動産」と「居住用不動産」があり、用途をはじめさまざまな違いがあります。
そのため、どのように違うのか理解できず、不動産選びに悩むという方は多いです。本記事では、不動産投資の基礎知識から投資物件の種類や一般的な居住用物件の違いについて解説します。
投資用不動産とは?
投資用不動産とは、不動産投資を目的に所有している不動産全般のことです。「賃貸マンション」「賃貸アパート」「賃貸ビル」などが不動産投資に該当しています。そのため、投資目的で特別な仕様・機能を備えた物件というわけではありません。
国内最大の不動産投資サイト「楽待」を運営する株式会社ファーストロジックが発表した「投資用不動産市場調査」によると、投資用物件の全種別で平均利回りが低下しています。一方、平均価格は上昇に転じており、一段と需要が拡大していると考えられます。
投資用物件の主な種類
投資用物件の種類としては主に以下が挙げられます。
日本でメジャーなのがこの5種類の投資用物件です。特に、マンションやアパートを投資用物件として購入した場合に新築か中古かで利回りが大きく変わります。運用できる自己資金と相談したうえで、適切な種類を選択しましょう。
投資用不動産と居住用の違い
居住用とはその名の通り、所有者が居住するために所有する不動産のことです。そのため「投資用不動産」と「居住用」では、物件の用途が異なります。また、用途以外にも次の2つが違いに挙げられます。
● ローンの種類による違い
● 物件価格の査定方法による違い
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.ローンの種類による違い
投資用不動産と居住用では、ローンを組む際にいくつかの違いがあります。まずは両者の特徴についてみていきましょう。
【投資用不動産の場合】
● 事業として不動産投資をする場合に一棟地を丸ごと購入するなどかかる費用が大きく融資を得るのも大きくなります。
● 融資後の金利が高く設定されています。(2%から4%)
● 年齢制限がそこまでない
● 融資を受ける際に審査が厳しい
【居住用の場合】
● 一般的に住宅ローンは年収の約7倍まで融資を得ることができます。
● 住宅ローンの金利は0.5%から1%と言われています。
● 年齢制限が設けられている
● 融資を受ける際に不動産投資よりは審査は厳しくない
投資用不動産は年齢による制限が低いものの、金利が高い傾向にあります。そのため、投資用不動産の方が居住用よりも融資を受ける際の審査が厳しくなる場合が多いでしょう。
2.物件価格の査定方法による違い
投資用不動産と居住用では、物件価格の査定方法も異なります。物件価格の査定方法を理解するには「取引事例比較法」と「収益還元法」について理解しておかなければなりません。
● 取引事例比較法:類似物件の成約事例から利便性や近隣の環境面など要因を加味して査定価格を比較する方法
● 収益還元法:将来的に利益が生まれるかどうか定めることにより物価価格が決まる方法
投資用不動産の場合は「取引事例比較法」と「収益還元法」を組み合わせて査定し、居住用の場合は「取引事例比較法」が主な査定方法となります。
投資用不動産で得られる2種類の収益
投資用不動産では収益を得る方法が2種類あります。
● キャピタルゲイン
● インカムゲイン
ここではそれぞれの詳しい内容をみていきましょう。
1.キャピタルゲイン
保有する不動産を購入時よりも高値で売却できた場合に得られる売買差益を「キャピタルゲイン(売却益)」といいます。例えば、Aというマンションを1000万円で購入したとしましょう。
数年後に周辺が賑わって人気の土地となり、1,000万円だった物件が1,500万円と高騰した場合、当初購入した金額よりも高い値で売却できたら売却益を得られます。これがキャピタルゲインです。ただし、何らかの要因でマンション周辺の価値が下がり、想定していたキャピタルゲインが得られない可能性もあります。
2.インカムゲイン
投資用物件に居住者がいる限り、毎月固定で安定した収益を得ることを「インカムゲイン(運用益)」といいます。例えば、全8室あるAのマンションを家賃7万円で賃貸に出したとしましょう。満室になっている場合「7万円×8室」となり、毎月56万円の固定収益を得られます。
ただ、投資用物件が必ずしも満室になるとは限りません。人気のない物件は空室リスクが高く、思っていたほどインカムゲインが得られないというケースもあります。
まとめ
投資用不動産は不動産投資を目的に所有している不動産全般を指し、「賃貸マンション」「賃貸アパート」「賃貸ビル」などが該当します。また、マンションやアパート以外にも駐車場やトランクルームなど、土地を使用して不動産投資することも可能です。
ただし、同じ不動産であっても不動産用不動産と居住用不動産では、用途が異なるため、「ローンの種類」や「物件価格の査定方法」が違います。投資用不動産の方が高金利で融資の審査基準は厳しいものの、長期的に考えた場合、安定した収入が見込めるため、融資の基準を突破して不動産投資を始めていきましょう。