不動産を売却する際は不動産会社に査定をしてもらう必要があります。しかし、不動産投資を始めたばかりの方は、そのタイミングや流れが分からないのは当然です。
そこで、本記事では不動産の売却査定の概要や種類、受けるタイミング、実際の流れについて解説します。
不動産の売却査定とは
引用:売却経験者の80%以上が「仲介担当者選びが重要」と回答
不動産の売却査定とは、不動産会社が不動産をいくらで売却できるのかを査定することです。多くの不動産会社が無料で査定を実施しており、不動産が売却された場合に報酬として仲介手数料を得る形となっています。
不動産査定では売却額の目安が分かりますがあくまで目安であり、査定額がそのまま売却額になるとは限りません。周辺環境や物件の状態など売却時に行う細かい調査によって売却額は変動するため、注意が必要です。
なお、不動産売却仲介担当者マッチングサイト「TAQSIE(タクシエ)」を運営する三菱地所リアルエステートサービス株式会社の調査によると、不動産の売却経験者における80%以上が「仲介担当者選びが重要」と回答したと発表しています。
不動産の売却査定における3つの種類
不動産の査定における種類として次の3つが挙げられます。
● 机上査定(簡易査定)
● 訪問査定
● AI査定
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.机上査定(簡易査定)
机上査定(簡易査定)とは、不動産会社に査定を直接依頼する方法です。不動産会社は、物件情報や市場動向などをもとに物件の査定額を算出します。
査定に使う情報は不動産会社ごとに異なるため、査定額に差が生じるケースが多いです。その差は数百万円に及ぶ場合もあり、机上査定を行う場合は複数社に依頼して比較検討することが大切です。
また、机上査定を行う場合、複数社の査定を一括で行えるサイトを利用するとよいでしょう。電話番号や名前を入力する必要がありますが、さまざまな不動産会社にアポを取る手間が省けます。
2.訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が物件を訪問して査定する方法です。物件の状態を直接確認する他、近隣との境界や設備、周辺環境や立地も含めて詳細に物件を調査します。
実物を調査して査定するため、他の査定方法と価格が大きく異なる場合があります。3つの査定方法の中では、一番実際の売却額に近い数字が出やすいのが特徴です。
3.AI査定(匿名査定)
AI査定(匿名査定)とは、ネット上のフォーマットに情報を入力することでAIが自動で査定額を算出する方法です。物件の住所や面積、築年数などを入力する必要があります。
AI査定は情報を入力すればすぐに査定額を算出できますが、査定額に偏りが出ることが多い傾向にあります。また、査定サイトによっては名前や電話番号、メールアドレスなどの個人情報の入力を必須としている場合もあるため、注意が必要です。
不動産の売却査定を受けるべきタイミングとは
不動産の売却査定は「不動産を売却したい」や「不動産の価値を知りたい」といった時に依頼するのが一般的です。
不動産の価値を決める要素の1つである周辺の相場は、商業施設の有無や最寄り駅の路線数などで変動します。不動産を最高価格で売却したい方は、定期的に査定を受けることをおすすめします。
不動産の売却査定を受ける際の流れ
不動産の売却査定を受ける際の流れは主に以下のとおりです。
1. 不動産会社に机上査定を依頼する
2. 簡易査定の結果をもとに訪問査定を依頼する
3. 訪問調査をしてもらう
4. 必要書類を確認する
5. 査定結果を教えてもらう
まずは、不動産会社に机上査定をしてもらいましょう。短い時間で多くの査定が欲しい場合は、一括査定サイトを利用するのも手です。
その後、机上査定の結果をもとに訪問調査を依頼し、査定結果を知る流れになります。机上査定は省略することもできますが、訪問査定前に挟んでおくことで、周辺地域の相場観をつかんでおくと良いでしょう。
不動産の売却査定額を決める3つの視点
不動産の売却査定額を決める視点としては以下の3つが挙げられます。
● 原価法
● 収益還元法
● 取引事例比較法
不動産の価格は、その不動産を作る場合にかかる費用(費用性)、不動産の利益率(収益性)、不動産の取引価格(市場性)という3つの観点で決まり、それぞれの観点で算出方法が異なります。各査定方法をそれぞれ詳しくみていきましょう。
1.原価法
原価法は、費用性をもとに算出する査定方法です。物件を壊して建て直した場合に、いくら費用がかかるのかを計算したうえ、築年数などの修正をかけて価格を求めます。木造か鉄筋コンクリートなどのように家の造りによっても変動します。
2.収益還元法
収益還元法は、収益性をもとに算出する査定方法です。不動産が将来得られるであろう純利益を推定し、その純利益を推定される利回りで割って不動産価格を求めます。収益還元法は主に賃貸物件の売買の際に利用される査定方法です。
3.取引事例比較法
取引事例比較法は、市場性をもとに算出します。周辺で似た特徴を持つ物件が売買された事例を探し、相場を参考にする査定方法です。
条件が似ている物件でも、立地や売買の時期によって価格が異なるため、それらも踏まえて不動産の売却額を算出します。
まとめ
売買契約を取るために査定を高くしておいて、実際の売却額を下げる不動産会社も存在します。あまりにも高い査定額を提示された場合は、一度疑ってその不動産会社を調べてみましょう。
複数社から見積もりを出してもらって吟味を行うなど、不動産投資と同様焦らずに即決しないことが不動産売却を失敗しない秘訣です。