不動産投資は「投資」の1つであり、場合によっては失敗するリスクがあります。しかし、失敗する理由や例を理解しておけば、そのリスクを抑えることが可能です。そこで本記事では、不動産投資で失敗しやすい人の特徴やよくある失敗事例について紹介します。
不動産投資における失敗の定義とは?
不動産投資における失敗の定義は「赤字」です。ただし、失敗かどうかは、トータルで赤字になっているかで判断しなければなりません。
たとえ、運用中に赤字になっていても、売却時にトータルで黒字化していればその不動産投資は成功といえます。
不動産投資で失敗しやすい人の2つの特徴
不動産投資で失敗しやすい人の特徴として次の2つが挙げられます。
● 勉強不足
● 計画性がない
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.勉強不足
不動産投資について勉強していない人は失敗しやすい傾向にあります。不動産会社に投資用不動産を任せている場合、自分で管理する必要はありません。
しかし、相場に適した物件かどうかの見極めや節税対策などを行うためには不動産投資の知識は必須です。勉強不足の場合、不良物件を掴む可能性も高くなるため、しっかりと勉強しておきましょう。
2.計画性がな い
不動産投資は1種の事業となるため、固定資産税や修繕費、ローン返済費などの支出も定期的に発生します。また、設備が故障してしまい、突発的に費用が発生する可能性もゼロではありません。
家賃収入があるからといって散財してしまうと、必要な時にお金が足りないという事態に発展する場合もあります。どのような出費が発生するのか想定しながら計画的に運用しましょう。
不動産投資でよくある失敗例5選
不動産投資でよくある失敗例として次の5つが挙げられます。
● 相場よりも高値で物件を購入してしまった
● 上手く節税できなかった
● 空室が埋まらなかった
● 自身のタイミングで売却できなかった
● 予想外に出費がかさんだ
失敗例からその原因や共通点についてみていきましょう。
失敗例1.相場よりも高値で物件を購入してしまった
物件価格は利回りに直接影響するため、物件は安く購入する必要があります。万が一、相場よりも高値で物件を購入してしまった場合、投資効果は小さくなる可能性があります。
また、高値で購入すると売却益がマイナスになってしまうケースも考えられます。そのため「相場の3割程度高くなる新築の購入は控える」や「相場をしっかりと調べてから不動産を購入する」といった工夫が必要です。
失敗例2.上手く節税できなかった
節税を目的に不動産投資を検討している方は多いです。上手く運用できれば、節税効果を得られます。
一方で、区分マンションなどは一般的に想像するような節税効果は得られない可能性があるります。節税効果を過信していたり、正確なシミュレーションを行わずに不動産を購入したりしたことで節税できず、不動産投資に失敗してしまうケースも少なくありません。
失敗例3.空室が埋まらなかった
空室が埋まらないことを原因とする家賃収入の減少は、不動産投資で最も多い失敗事例です。どんな物件であっても空室率を0%にはできません。
5年ごとに総務省が調査している「住宅・土地統計調査」によると、平成30年の調査では全国の空き家の総数は「約849万戸」、空き家率は「13.6%」となり、過去最高となっています。
どんな物件であっても空室率を0%にはできません。ただし、空室期間を短くすることはできます。空室期間を短くするためにも「駅近」や「都市部」など、人気の高い物件を選ばなければなりません。
また、空室が増えるとその分、家賃収入が減少します。そのため、長期的に見て安定した運用ができる資金計画を事前に立てる必要があります。
失敗例4. 賃貸管理会社とトラブルになった
賃貸管理会社とのトラブルも不動産投資によくある失敗事例の1つです。長期的な投資となる不動産投資において、賃貸管理会社は入居者とのやりとりや空室時の募集などについて重要な位置にいます。
質の悪い賃貸管理会社を選んでしまうと「家賃の入金が行われない」や「空室がなかなか埋まらない」といった問題にも発展しかねません。また、サブリースの仕組みを理解しないままに購入したとこちらもトラブルに発展するケースもあるため、注意が必要です。
失敗例5.予想外に出費がかさんだ
予想外に出費がかかりすぎることも不動産投資の失敗事例として挙げられます。築年数が経過すると管理費や修繕積立費は増え、家賃は下がっていきます。
つまり、収入が減って支出が増えていき、利益が小さくなっていくのです。次第に出費が増えていくことを計算に入れていなければ予想外に費用が増えてしまい、最悪の場合は赤字を招いてしまいます。
予想外に出費がかさんでしまうのは、営業担当者による長期修繕計画の説明不足が原因であるケースも少なくありません。不動産投資の失敗確率を減らすためにも、契約前に長期修繕計画を確認しておきましょう。
まとめ
不動産投資は長期的に行う1つの事業です。そのため、勉強して相場感などを養うとともに、しっかりと事業計画や資金計画を立てる必要があります。
ただし、空室リスクや築年数の経過による支出の拡大や家賃の縮小などを考慮していない場合、十分な資金計画を立てているとはいえません。不動産投資を成功に導くには、内容をしっかりと理解するとともに、各失敗事例を参考にしながら失敗リスクの少ない計画を立てることが大切です。