不動産投資での物件管理は管理会社に委託するのが一般的です。しかし、下調べもせずに契約してしまうと管理会社とのトラブルに発展し、物件の運用に支障が出てしまうケースも少なくありません。
そこで、本記事では不動産投資で管理会社を変更すべき状況や変更時のポイントを紹介します。
不動産投資における主な管理業務
不動産投資における管理業務は主に以下のとおりです。
これらの業務は本業を持ちながら不動産投資を行う方には遂行しきれない内容であるため、管理会社に運営を委託する場合が多いです。
管理会社はこれらの業務を行ってくれますが、管理会社ごとに強みや管理方法が異なります。オーナーの意向に即さない場合は管理会社を変更することで状況が好転する可能性があります。
不動産投資で管理会社の変更を検討すべき状況
不動産投資で管理会社の変更を検討すべき状況として次の3つが挙げられます。
● 入居者を確保できていない
● 管理費用が高い
● 対応が悪く本業に影響が出ている
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.入居者を確保できていない
入居者の確保は家賃収入に直結するため、入居者が確保できないと不動産投資が成り立ちません。
こうした場合、入居者確保に強い管理会社に変更すれば改善を図ることができるでしょう。管理会社によっては家賃保証のある所もあるため、そうした管理会社に変更するのも手です。
2.管理費用が高い
管理費用は「平均5%」といわれ、競争が激しくなってきた最近では5%を下回る管理費用を設定している管理会社もあります。管理費用が3%よりも高いという場合は管理会社の変更を検討した方がよいでしょう。
ただし、管理費が低いほど良いという訳ではなく、管理費とサービスの内容を検討することが大切です。新築かつ駅に近いといった物件が需要の高い条件に該当する場合は、入居者確保が弱い管理会社でも入居率を高く保てる可能性があります。
このような場合、管理費用の安い管理会社に変更することで多くのリターンを得られるでしょう。管理費用と入居者確保の強さには比例関係があるため、保有物件の状態・状況を考慮しながら管理費用と相談することが必要です。
3.対応が悪く本業に影響が出ている
不動産投資を行う方の多くは他に本業を持つ方です。
そのため、管理会社の対応が悪い場合は、本業に影響が出る場合があります。一例として以下のような状況が挙げられます。
● 入居者のクレームが改善されない
● 物件の清掃が適切に行われていない
● 家賃滞納が多発する
● 物件に関する連絡や情報の共有がない
● 空室対策が弱い
これらに該当する管理会社の場合は入居者からの印象が悪くなり、空室リスクが上がる可能性があることから、管理会社の変更を検討した方がよいでしょう。
ただし、対応の良し悪しは付き合ってみないと判断できないのも事実です。変更したからといって必ずしも状況が好転するわけではありません。
不動産投資で管理会社を変更する際のポイント
不動産投資で管理会社を変更するポイントとして次の3つが挙げられます。
● 管理会社の得意な部分を確認する
● 担当者の対応力や性格も見定める
● 入居率の高さを調べる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.管理会社の得意な部分を確認する
各管理会社で管理業務の請負内容が異なるため、事前に業務内容を調べておくことが大切です。事前に調査することで、管理会社とのミスマッチを防げます。
オーナー自身が特に気にする業務に強い管理会社を選ぶことで不満が生まれにくくなるでしょう。
2.担当者の対応力や性格も見定める
管理会社の担当者は、オーナーと入居者の仲介を行います。そのため、担当者の態度や対応力に問題があると、物件の契約に支障が出かねません。
契約に至らなくなったり、物件の評価を下げてしまったりする原因にもなるため、担当者の見極めも重要です。
3.入居率の高さを調べる
入居率とは、1棟のマンションやアパートのうち、どの程度の部屋が埋まっているかを示す数値です。不動産投資では家賃が収入であるため、家賃が確保できないと成り立ちません。家賃の確保のためにも入居率の高い物件を多く管理する会社を選ぶと良いでしょう。
入居率の高い管理会社は仲介店を自社で運営している所が多いので、仲介店を持つ管理会社を選ぶ条件に入れても良いかもしれません。
また、地域ごとの空室率の値にも注目しておきたいところです。空室率とは、部屋の総数に対して空室が何パーセントかを示す割合を意味します。
大手不動産・住宅情報サイトである「LIFULL HOME'S」が発表する「全国の賃貸用住宅の空室率一覧」を見ると、各県で空室率に大きな開きがあることがわかります。
不動産投資の管理会社を変更する際の流れ
管理会社を変更する際の流れは以下のとおりです。
1. 管理委託契約書を確認する
2. 変更先となる管理会社を探す
3. 管理会社を変更する旨を伝える
4. 管理会社の解約手続きを行う
5. 新しい管理会社と管理委託契約を交わす
6. 管理業務の引き継ぎを行う
管理会社との契約書の内容によっては解約の予告が必要な場合もあります。契約内容を確認し、契約内容に沿って解約を申し出なければなりません。
管理会社を変更する場合、賃貸借契約に関する書類や、管理会社が預かっている敷金など、新旧の管理会社で引継ぎが行われます。その際は、オーナーも立ち会って引継ぎができているかを確認すると良いでしょう。
まとめ
不動産投資を問題なく進めるためには、適切な管理業務が欠かせません。「入居者が確保できない」「対応が悪く本業に影響が出ている」などの状況が続く場合は、管理会社の変更を検討した方がよいでしょう。
ただし、管理会社を変更する際には様々な手続きが発生します。スムーズな管理会社の変更を行うために、事前に入念な下調べをして、変更の流れの把握や準備を行っていくことが大切です。