株は証券会社で買えると聞いたから口座を作ったけれど、実際はどうやって買うの?と初めての人は疑問に思うでしょう。基本的には取引所の運営時間中に売り買いを注文することができます。東京証券取引所(東証)なら午前は9時~11時30分(前場)、午後は12時30分~15時(後場)です。このほか、国内には名古屋取引所(名証)、札幌取引所(札証)、福岡取引所(福証)があります。
注文方法は大きく分けて、証券会社での店頭注文、電話注文、ネット注文の3つに分けられます。どの注文方法においても必要な項目は同じですので、順に解説していきます。
取引市場
注文を発注する先の取引所を選びます。基本的に「優先市場※」に発注されるケースがほとんどで、普通に注文するだけなら、いじらなくてOKです。店頭、電話においても、特に指定がなければ優先市場に発注されます。
※優先市場とは、例えば東証と名証の両方など、複数の取引所に上場している場合の代表市場のことを言います。大体が東証になります。
証券会社によっては、PTS(私設取引システム)に発注することもできます。PTSは東証などの取引時間外でも売買できますが、取引量はそこまで多くありません。
数量と価格
注文内容の中でも一番重要な項目ですね。ここでは買いたい株数と株価を入力します。一般的な株は基本100株単位です。株価×100株+手数料の計算になりますので、資金は最低でも株価の100倍ちょっと必要です。株価が1000円だからといって、購入代金が1000円になるわけではありません。なお、REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)では1口単位の取引もあります。
価格は、通常注文であれば「指値(さしね)」と「成行(なりゆき)」の2種類があります。
指値は自分で買いたい価格を決めて注文する方法で、成行は今一番安く売りたいという人から買う方法です。
<特徴>
指値: 自分で値段を決める。値動きによっては買えない場合がある。
成行: 今すぐに買いに行く。希望する株価で約定しないこともある。
トレーディングツール(楽天マーケットスピードや、HYPER SBIなど)を使うと、その株を売買したい人たちの株価と数量がわかる通称「板」を見ることができます。店頭や電話注文であっても聞けば教えてくれるので、注文を出す前にいったん板を確認しましょう。
<板の例>
ちなみに上の例の場合、成行で1000株買いの注文を出すと1000円~1003円までの売り注文をすべて買い占めることになります。板をよく確認せずに注文を出してしまうと、思ってもいない株価で約定してしまう可能性もあります。約定してしまうとキャンセルはできませんので、十分に注意したいところです。
上述の通り決まった値段で売り買いしたい場合は指値を使いますが、どんな値段でも注文を出せるというわけではありません。その日の基準値が1000円の銘柄であれば、取引所のルールに従い1日の値幅は300円までとなります(値幅が拡大されるケースあり)。ストップ高は1300円、ストップ安は700円となりますね。指値の場合は、この値幅内でのみ注文することができます。
口座区分
口座開設時に「特定口座」を選択した場合でも、注文時に「特定口座」「一般口座」を選ぶことができます。特定口座は税金計算を証券会社に代行してもらう方式。一般口座は自分で計算して納税する方式です。口座開設時に特定口座を選択した人が一般口座を使うことはまずありませんが、注文時には選択肢として出てくるので、誤って選択しないように気を付けましょう。
また「NISA口座」もここで選択できますので、使いたい場合は漏れなくチェックしましょう。NISA(小額投資非課税制度)をきっかけに初めて口座を開設する人にありがちですが、NISAという商品はありません。あくまで「株や投資信託の利益を非課税にできるよ」という制度なので、NISAを使うことができるのは注文を入力するときです。
まとめ
注文時に必要な項目は大きく分けて
・市場区分(触らなくてもOK)
・数量(株は大体100株から)
・株価(指値・成行)
・口座区分(特定・一般・NISA)
以上の4つです。買いたい銘柄に応じて、あらかじめ必要な資金も入金しておきましょう。
各証券会社のトレーディングツールにはもっと複雑な注文方法がありますが、ここでは割愛します。
まずは何事も経験が大事です。少ない金額で買える銘柄から試しに注文を出してみて、徐々に慣れていきましょう。