株の値動きを思い浮かべてくださいと言われると、折れ線グラフだったり、赤青白黒など対照的な色の箱が上下に動いていたりする「チャート」を想像しますよね。例えばニュースで「きょうの日経平均株価は~」と流れたときに一緒にチャートが表示されることもあるので、投資をしていない人でも馴染みがあるんじゃないかと思います。
今回はそんなチャートについて、日本で最も使われているローソク足について解説をしていきたいと思います。
ローソク足とは
下の左図のチャートに使われている箱のようなもののことを言います。
言われてみればローソクのように見えますね。
発祥は江戸時代。米商人だった本間宗久氏が考案し、米の先物取引で活用していたとされています。
今では日本に限らず世界中で使われています。
なんとなく上がったり下がったりしているのは分かります。
でも、白箱、黒箱、箱についている線は何の意味があるの?と疑問に思いますよね。
これにはもちろん意味があります。
ローソク足を拡大すると・・・
このようになります。
終値>始値の線(図の白い方)は「陽線(ようせん)」
終値<始値の線(図の黒い方)は「陰線(いんせん)」
日足(読み:ひあし 意味:1日の動き)のローソク足では
始値(はじめね):その日の取引が成立した最初の株価。寄り付きとも言います。
終値(おわりね):その日の一番最後に取引が成立した株価。大引けとも言います。
高値(たかね):その日に一番高く取引が成立した株価。
安値(やすね):その日に一番安く取引が成立した株価。
ちなみに、ローソク足の四角い部分のことを「実体」
上下に伸びた線のことを、「上ヒゲ(うわひげ)」 「下ヒゲ(したひげ)」と言います。
時間別でも分けられるローソク足
日足だけでなく、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)、1時間足、1分足、15分足といったように、さまざまな時間で区切った足があります。
例えば月足なら、始値は7月1日(金)の寄り付き価格で、終値は7月29日(金)の大引け価格といったような見方になります。1分足では見ている間にもチャート上に毎分ローソク足が作られていくので、「今ここで誰かが売り買いしているんだな~」というライブ感があって意外と面白いものです。
いろいろあるローソク足の形と意味
ローソク足には、陽線と陰線の長さ、ヒゲの長さなどでいろいろな種類があります。
それぞれに意味を持っており、売買タイミングの参考として使われます。
数も多いので今回はその中でも面白いもの中心に、名称と大まかな投資家心理を紹介します。
左から
下ヒゲ陽線:底堅い、強そう
上ヒゲ陰線 :買いが続かず、重たい
十字線 :様子見、天井(底値)かも
コマ :様子見、どっちつかずで困る
左から
トンカチ:買いが続かず、頭打ちか
カラカサ:売られても買い戻される、下落も一巡か
丸坊主 :とにかく買いが強い、明日もよさそう
図の中には陽線と陰線が入り混じっていますが、
例えば「陽線の丸坊主」に対して「陰線の丸坊主」のように対で存在します。
陽線か陰線かで意味も逆になることがあります。
例のようにローソク足の形状には意味がありますが、今後必ずしもその通りに動くわけではありません。株式市場の歴史の中で、「こういう形状の後は、こう動くことが多いね」という膨大な経験則のもと、投資家心理が体系化されていったものです。まずは気になる銘柄のローソク足を見て、自分なりに明日の動きを予測していくことから始めましょう。