株式初心者のためのPER入門

JR4社のPER

今回は、JR東日本(9020)JR西日本(9021)JR東海(9022)、JR九州(9142)のPERを比較してみます。


JR各社の株価は2026年前半は物色の蚊帳の外に置かれたような動きをしていましたが、足元では変化も見られます。


JR東海のPERは一桁台


2026年7月22時点におけるJR4社のPERは以下のようになっています。



JR東海のPERは8.1倍と、最も高いJR東日本の16.0倍の半分程度の水準です。


JR東日本は株式市場で高めの評価がされやすい傾向がありますが、こうして比べてみると、JR東海のPERの低さが際立ちます。割安感が強いとも言えますし、人気がないとも言えます。なお、JR東海は7月22日時点でPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでおり、解散価値を下回っています。


PERの高い2社は今期最終増益計画


PERに差がついている要因の一つとして、今期の見通しが挙げられます。


PERが高めのJR東日本とJR西日本は、期初の時点で27年3月期の最終増益を見込んでいます。一方、PERが低めのJR九州とJR東海は、最終減益計画となっています。


JR東海に関しては、前の期は大阪・関西万博開催に伴う特需が発生しただけに、会社の期初の見通しが減益になるのは仕方ない状況ではあります。ただ、減益は株式市場では嫌われます。本決算を発表した翌営業日の株価も大幅安となりました。



足元の株価は持ち直し基調


鉄道株は春先の株価は苦戦した銘柄が多く、本決算に対する反応は良かったJR東日本も6月4日には年初来安値を更新しています。


一方で、6月以降は多くの銘柄が持ち直しています。JR東海も6月後半辺りからは水準を切り上げています。


6月までは業績期待の高いAI関連が人気になっていたため、安定感はあるものの業績急拡大のイメージを持ちづらい鉄道株は敬遠されていました。しかし、6月後半から7月にかけてはAI関連が調整色を強めています。そうなると、ディフェンシブ性もある鉄道株の魅力は高まります。PERが高めのJR東日本でも10倍台ですので、それほど過熱感はありません。


7月後半から8月にかけては、各社の第1四半期決算発表が出てきます。発表予定日はJR東日本とJR東海が7月31日、JR九州が8月4日、JR西日本が8月5日となっています。期初の見通しが保守的との見方が強まるようなら、見直し機運が高まる展開も期待できます。特に、最終減益を計画しているJR東海やJR九州がどの程度の着地となるかが大きく注目されます。



日本株情報部 アナリスト

小松 弘和

証券会社、外資系生命保険会社、大手出版社マネーサイトの株式分析アナリスト、FX会社勤務を経て2014年に入社。金融全般に精通。2級FP技能士。 「トレーダーズ・プレミアム」では、「個別株戦略」「Market Flash」などのコンテンツやニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 日経CNBC「朝エクスプレス『証券中継』」(隔週金曜)、株主手帳「街の専門家『今月の相場見通し』」、週刊現代、日経マネー、ダイヤモンド・ザイ、ビジネスマンの人生逆転マガジン「Ambitious」、完全ガイドシリーズ「株 完全ガイド」

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